全長5m&700馬力超えが存在!? 北米SUVがアツい! 日本と異なるSUVモデル
世界中で人気のSUV。各メーカーは独自の個性を持つSUVモデルを続々と投入しています。では、日本とSUVの本場ともいえる北米では、SUV市場にどのような違いがあるのでしょうか。
日本ではコンパクトSUVが人気! 北米では何が人気?
日本で人気が高まっているSUVジャンル。直近では、コンパクトSUVサイズのモデルが各社から続々と登場しています。世界中でも高級車ブランドなどから多種多様なSUVが登場していますが、もっとも早くブレイクした地域は北米(アメリカ合衆国)です。日本のSUVとは、どのような違いがあるのでしょうか。
北米SUVのルーツを辿れば、その起源はピックアップトラックの荷台にFRP製のハードトップを装着して、ステーションワゴンのように日常での使い勝手を高めたモデルです。そこから居住性を求めて荷室までキャビンと一体化したクルマへと進化してきました。
1990年になりフォード「エクスプローラー」などが大ブレイクし、一躍人気ジャンルとなったSUV。2000年代になって、セダンやステーションワゴン、そしてミニバンのマーケットが急激に小さくなる一方でSUVは拡大の一途をたどりました。
北米では2019年の乗用車販売のうち、SUV比率はなんと5割弱。つまり販売されている新車のうち2台に1台がSUVという状況なのですから驚かずにはいられません。北米は世界でもっともSUVが普及している地域なのです。
そんなSUV大国のなかでも、もっとも北米らしいSUVといえばシボレー「タホ」やそのロング版ともいえる「サバーバン」、フォード「エクスペディション」、そしてGMC「ユーコン」といったフルサイズSUVでしょう。
全長は5mを優に超え、なかには5.7mに迫るものも。道路も駐車場も広大な広さを誇る北米らしい大きな車体に地域性を感じます。日本のメーカーでも北米向けSUVとしてトヨタ「セコイア」、日産「アルマダ」、ホンダ「パイロット」、スバル「アセント」、マツダ「CX-9」などフルサイズSUVをラインナップ。
また、キャデラック「エスカレード」やリンカーン「ナビゲーター」など、プレミアムブランドによるフルサイズボディのラグジュアリーSUVも存在。前者は「タホ」や「サバーバン」、後者は「エクスペディション」の車体をベースに内外装を豪華絢爛に仕立てたモデルです。
いずれもピックアップトラックのラダーフレーム構造を土台とし、エンジンを縦置きとするなど、今なお当初からのSUVの血をしっかり受け継いでいるといっていいでしょう。
しかし、最近ではそんな伝統的なSUVとは異なり、乗用車とプラットフォームを共用するモノコックボディのSUVが増えています。それらはCUV(クロスオーバーユーティリティビークル)と呼ばれることもあり、2019年にはSUV販売の約7割がCUVでした(スバル「アウトバック」のようなスポーツワゴンも含む)。
CUVはシボレー「トラックス」のように全長4.3mのコンパクトモデルから、シボレー「トラバース」、リンカーン「アビエーター」、そしてキャデラック「XT6」のように5mを超えるフルサイズボディまで幅広く展開。
これらはエンジンを横置きに積むのが基本です。CUVジャンルは続々とバリエーションが拡大しつつあり、なかでも大型モデルが増えているのが、ここ最近の大きな動きといえます。フルサイズモデルでは3列シーターが一般的です。
そんなフルサイズの3列CUVは、かつて人気ジャンルだったミニバンに代わるファミリーカーとしても重宝されていいます。
そして北米らしいといえば外せないのが、マッスルカー的なSUV。SUVながらとにかくハイパワーなエンジンを積んで、暴力的な加速を味わえることを醍醐味とするいかにもアメリカンなモデルといっていいでしょう。
その代表格が、ジープの「グランドチェロキー トラックホーク」。オンロードの走行性能を突き詰めてサーキット走行まで視野に入れてハイパフォーマンスバージョンです。
エンジンはダッジ「チャージャーSRT」などと共通の排気量6.2リッターのスーパーチャージャー付でなんと707馬力。イタリアのスーパーカーメーカーであるランボルギーニのSUV「ウルス」が650馬力で、それよりも高出力なのだからもはや驚くしかありません。
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