秀逸なデザインと大パワーが魅力的だった! 日産「Z32型 フェアレディZ」を振り返る

平成元年に登場した日産「Z32型 フェアレディZ」は、国内で長らく続いた出力の自主規制値だった280馬力に最初に到達したクルマです。それまでのロングノーズ・ショートデッキのデザインからワイド&ローに大きく転換し、新しい時代のスポーツカーを目指しました。

平成元年に登場したZはワイド&ローに方針転換

 1969年にデビューした日産初代「フェアレディZ」は、それまでのオープンボディのダットサン「フェアレディ」とは異なり、欧州の高級GTカーのようなスペックと、直列6気筒エンジンを収めるロングノーズのファストバックという魅力あるスタイルが特徴です。

 日本はもちろんアメリカでも「Z Car(ズィー・カー)」と呼ばれ大ヒットし、製造された車両の多くは北米市場向けに輸出されたといいます。

スピード感と美しさを兼ね備えた4代目「フェアレディZ」
スピード感と美しさを兼ね備えた4代目「フェアレディZ」

 そして、代を重ねたフェアレディZは、元号が平成になった1989年7月、北米市場のみならず世界に通用するスポーツカーを目指した4代目となるZ32型を発売しました。

 初代から3代目まで続いたロングノーズ・ショートデッキの古典的なスポーツカースタイルを脱ぎ捨て、全幅の拡大と低い全高が醸し出す、迫力あるロー&ワイドなデザインで、日本国内はもちろん世界中のスポーツカーマニアから注目を集めます。

 2シーターモデルは全長4310mm×全幅1790mm×全高1250mmで、4名乗車可能な「2by2」は全長4525mm×全幅1800mm×全高1255mと、堂々としたボディサイズとなり、3代目までは不評だった2by2のルーフの長さも、パっと見では2シーターモデルと判断しづらいほどに美しくまとめられた外観となっていました。

 フロントフェイスは3代目のセミリトラクタブルヘッドライトから固定式に変わり、よりシャープな印象へと変貌。

 また、内装のデザインも洗練され、包まれ感のある適度にタイトなコクピットは上質なスポーツカーといったところです。

 そして、1992年には2シーターモデルをベースに、手動で開閉する幌を備えたフルオープンモデルの「フェアレディZ コンバーチブル」が追加され、華やかなスポーツカーとしての一面を見せました。

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