秀逸なデザインと大パワーが魅力的だった! 日産「Z32型 フェアレディZ」を振り返る
280馬力自主規制はここから始まった
4代目フェアレディZに搭載されたエンジンは、1988年に発売された「セドリックシーマ/グロリアシーマ」に搭載されていた、3リッターV型6気筒DOHCターボエンジンをベースにツインターボ化し、国内で初の最高出力280馬力を誇りました。ターボチャージャーを持たない自然吸気モデルでも230馬力と、十分に高出力です。
トランスミッションはターボ/自然吸気モデルともに5速MTと4速ATが設定され、ターボモデルの加速性能は、AT車でもスロットルペダルを床まで踏みつければ、リアタイヤからスモークが上がるほどのトルク感あふれるものでした。
また、高速道路での追越し加速は、他のクルマでは味わえないダイナミックなもので、欧州ではポルシェやフェラーリと対等とも評されます。
サスペンションは前後マルチリンク式とされ、ターボ車にはスーパーHICAS(電子制御式4WS)を搭載。225/50R16サイズのタイヤや前後大径のベンチレーテッドディスクの採用により、スポーツカーらしい高いコーナリング性能を実現していました。
この4代目フェアレディZの発売からわずか1か月後に、日産は「スカイラインGT-R」を16年ぶりに復活。エンジンパワーを確実に路面に伝えるという点では、4WDのスカイラインGT-RはフェアレディZに勝っていたことから、スポーツ志向の強いドライバーはスカイラインGT-Rを選び、高速道路でのクルージングを楽しむ層はフェアレディZを選ぶようになります。
その後、フェアレディZはマイナーチェンジを続け、1989年7月の発売から2000年12月までの長期間に渡り販売され続けました。
ここで、一旦フェアレディZの系譜は途切れてしまいますが、2002年に5代目が登場して復活、2008年にはフルモデルチェンジをおこない6代目に進化して現在に至ります。
なお、バブル経済真っ只中に発売された4代目フェアレディZは、「他人と同じではおもしろくない」と考えたオーナーたちが北米仕様の左ハンドル車を逆輸入するケースが増え、都市部では左ハンドルのフェアレディZもよく見かけられました。
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