オペルのほかにも再上陸はある!? 日本から撤退した海外ブランド4選
2021年夏ごろから日本での再展開が決まったブランド「オペル」。ただこうしたことは珍しいこと。日本は国内だけで大手自動車メーカーが8社もあるという特殊な市場なこともあり、日本市場から撤退した輸入ブランドもある。そんななか、世界ではまだ売られているのに日本ではもう正規輸入されていないブランドを紹介しよう。
人気車も多かった! 正規輸入されたものの日本から撤退した輸入車ブランド
日本には国産メーカーはもちろん、欧州や北米メーカーのモデルが数多く輸入・販売されており、街中でもそれらの車両をたくさん見かける。
その一方で、かつては日本での認知度を高め一定の販売台数を稼いだものの、日本市場から撤退した輸入車メーカーも少なくない。
日本はこの狭い国土にトヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱・スバル・ダイハツ・スズキと、世界的な大手自動車メーカーが8社も存在するという、ほかに例を見ない市場になっている。当然、そんな激戦区で海外のブランドが戦うには、並大抵のことではすまされない。
いま思えば、ブランドが日本にやってくる際の話題性は高かったが、他の輸入ブランドと比べるとクルマそのものの魅力に乏しいところや販売網の少なさなどもあったのかもしれない。なかには1世紀以上日本で展開していたのも関わらず、8カ月というわずかな期間で日本から撤退した驚きのブランドもある。
ところが、最近では撤退した輸入車メーカーのひとつであったブランドが日本で再び展開することを発表し、周辺がにわかに慌ただしくなってきている。今回は、かつて日本で正規輸入されていて、現在も世界のほかの地域では販売されているブランドを取り上げてみた。
●フォード(アメリカ)
国産メーカーのマツダへの資本参加をはじめ、長きにわたり日本にも数多くディーラーを展開していた米国のメーカーがフォードだ。
日本での歴史は古く、1925年には日本フォードを設立し、横浜でアジア初となるフォードの製造工場を開設するなど、戦前から日本での知名度が高かった輸入車の老舗ブランドだ。
1979年にはマツダと資本提携し「オートラマ」という名前のディーラーを全国で展開。フォードの代名詞といえるスポーツカー「マスタング」だけでなく、「フェスティバ」「レーザー」「テルスター」など、マツダ工場で生産されたフォードモデルを販売していた。1996年には2万3273台を販売している。
バブル崩壊以降は経営が悪化したマツダをフォードが増資で傘下に収め、1999年には後にフォード本体のCEOとなるマーク・フィールズ氏が弱冠39歳でマツダの社長になるなど、日本においてのフォードの影響力は大きかった。
その後はマツダOEM車の販売を止め、「エクスプローラー」や「エスケープ」「マスタング」などの米国フォード車、「フォーカス」「フィエスタ」「モンデオ」などの欧州フォード車を販売した。
ところが、2016年1月に突如として日本市場から撤退を発表。同年9月には日本のウェブサイトも閉鎖と急転直下の事態になった。
米国本社経営陣からの鶴のひと声で決まったそうだが、それにしてももったいないとしか言いようがない。ピーク時に比べると1/5まで売り上げが低迷しており、撤退前の2015年の日本での販売台数は4968台。グローバルでの販売台数(632万台・2014年)と比較しても0.1%に満たないことも要因だったようだ。
急な出来事だっただけに既存のオーナー達への支援が危ぶまれたが、現在は愛知県に本社を構える、国産や輸入車の販売を中心とした企業のVTホールディングスのグループ会社、ピーシーアイが販売車両の部品供給やリコール対応、アフターサービスなどの保証業務を続けている。
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