アウディ最小の新型「A1スポーツバック」走りや質感にアウディらしさはあるのか
尖ったところがなく、どんな人でも付き合いやすいクルマ
新型アウディA1の走りは、そのコクピットのイメージほどスポーティではない。とはいっても、すっきりしてクセのないハンドリングは誰にでも扱いやすく、好感が持てる。
操舵力はアウディらしく軽め。それでも過敏なところはなく、ハンドル角に比例した反応で、直進付近の微小操舵からカーブで深く切り込んだところまで扱いやすい。それはリアのグリップがしっかりしていて、常時高い安定感を出しているからだろう。
剛性感の高いボディ骨格を持ち、しっかりしたサスペンションとタイヤによって、ワインディングロードでもふらつきを感じない、安定したコーナリングが可能だ。リアはシンプルなトレーリングアームのサスペンションだが、十分に良い仕事をしてくれる。
今回は、箱根の山道をメインに試乗したが、室内に侵入してくる走行音は、コンパクトカーとして静かな部類に属すると感じた。タイヤのパターンノイズや低音のロードノイズなども気にならなかった。
左右に白線がある車線を走ると、白線に近づくとはみ出さないようにADASが働き、ハンドルを自動修正してくれる。最新のシステムを搭載したモデルのなかでは標準的な作動ですが、白線から跳ね返るように反発するように動くクルマが多いなか、A1のこの作動は優しい動きで、ドライバーを脅かさないので感心した。
もう一台、アドバンスドより26万円高い、A1「35 TFSI Sライン」にも乗ることができた。
Sラインはバネ/ダンパー/アンチロールバーを強化した「スポーツサスペンション」を組み込んでいる。ただし車高はアドバンスドと同じだ。
また、Sラインはスポーツシートを採用している。Sラインに「インテリアプラスパッケージ」というオプションを選ぶと、そのスポーツシートの表皮も変わる。つまりA1 35TFSIには、3種類のシートが用意されているということになる。
このパッケージの目玉は、ハンドルの裏側にパドルシフトが付くことだ。ワインディングロードを気持ちよく走るときには必要なアイテムだと思う。
Sラインでは、ハンドルの応答性がさらにリニアになった。とくに微小舵で速めの操舵をするとよくわかる。サスペンションが固められたことにより、ロール角が抑えられダイレクトな反応になったためだ。アドバンスドよりもSラインのほうがスポーティといえる。
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新型A1スポーツバックに乗って意外だったのは、パーキングブレーキが昔ながらのレバー式ハンドブレーキだったこと。
バーチャルコクピット(メーター類がフルカラー液晶モニターになる)を採用するなど、アウディの上級車種と同等の装備を持っているのに、ここだけは惜しい、という印象だ。ACCなど全速度域のコントロールをしようとすると電動パーキングブレーキにするモデルが多いなか、ここだけはモダンになりきれなかった感じがする。
新しいA1は、良い意味で尖ったところがないクルマだった。ビギナーやベテラン、男性や女性、そしてゆっくり走る人や速く走りたい人からも文句が出ない走りだと感じた。
AUDI A1 Sportback 35 TFSI advanced
・車両価格:365万円
・試乗車オプション込み価格:402万円
・全長:4040mm
・全幅:1740mm
・全高:1435mm(エアサスペンション装着)
・ホイールベース:2560mm
・車両重量:1220kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1497cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速Sトロニック(DCT)
・最高出力:150ps/5000−6000rpm
・最大トルク:250Nm/1500−3500rpm
・サスペンション前/後:ストラット/トレーリングアーム
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:215/45R17
・WLTC燃費:15.6km/L
子のブランドの素晴らしいところは縦置きレイアウトのクワトロにもDCTを用いたところだ。
しかし先日に知人の1990年式の500SEに乗せてもらったが、たかだか4速ATで受け流す大大排気量のまったりした加速もいいもんだと思ったな。
最近の車は調味料が主役で不味い車ばかりだからな。