失敗作ではないけど売れなかった!? イロイロとやらかした車5選
クルマのなかにはヒット作になるものと、そうでないものがあります。ヒットしなかったクルマには時代背景や、ニーズを見誤ったなど、さまざまな理由が存在。そこで、出来は悪くないのにヒットしなかったクルマを5車種ピックアップして紹介します。
気合いが入りすぎた!? 不運な結果のクルマたち
これまで、数多くのクルマが販売されましたが、ヒット作になったものと、そうではないクルマがあります。
開発段階では目標となる販売台数を決めますが、さまざまな理由で目標に到達できないクルマが存在。
そこで、出来は悪くなかったのにヒットしなかったクルマを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「ブルーバードシルフィ」
日産「ブルーバード」は1959年に初代が発売された、同社を代表する大衆車です。
代を重ねるごとに人気と不人気を繰り返し、1991年に発売された9代目となるU13型は、日本では不評となってしまいましたが、1996年に10代目のU14型へモデルチェンジされると、デザインの刷新が功を奏し人気を回復。
U14型のラインナップはスポーティな「SSS」シリーズとファミリー向けの「ルグラン」シリーズに分けられており、1997年には190馬力を発揮するSR20VE型エンジンを搭載する「2.0 SSS-Z」が追加設定されたことも人気復活の理由です。
そして、2000年のモデルチェンジで、小型セダンの「サニー」をベースとした「ブルーバードシルフィ」に生まれ変わりました。
エンジンは1.5リッター、1.8リッター、2リッター直列4気筒エンジン「QG型」「QR型」を搭載し 、トップグレードの2リッター車「20XJ」でも最高出力は150馬力と、スペック的には「普通のセダン」となってしまいます。
その結果、ブルーバードシルフィはサニーよりも上質なセダンを目指したコンセプトでしたが、伝統的なブルーバードのブランドイメージから大きく変わってしまい、真面目なつくりのクルマながら販売数が伸びることはありませんでした。
なお、コアなファンのなかには、ブルーバードシルフィを認めず、U14型を最後のブルーバードと呼ぶ人もいます。
●トヨタ「パッソセッテ」
2003年に3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が発売されました。取り回しのよい大きさの車体と広い室内で、ファミリー層から人気を得ます。
2008年にはシエンタの後継車として、ダイハツのOEM車「パッソセッテ」(ダイハツブランドでは「ブーンルミナス」)が発売され、しばらくパッソセッテとシエンタは併売されましたが、2010年にシエンタの販売を終了。
パッソセッテの「セッテ」とはイタリア語の「7」で、文字どおり7人乗りを強調するネーミングです。
リアドアはヒンジドアを採用して装備も簡素化した結果、価格は149万円(消費税込)からと、かなり安価でした。しかし、ユーザーからはスライドドアの利便性が求められており、パッソセッテの販売は極端に低迷。
そこでトヨタは生産を終えていたシエンタの再販を決め、2011年にシエンタがマイナーチェンジとして復活し、パッソセッテは2012年に販売終了になりました。
その後、シエンタはいまも好調なセールスを記録する、大ヒットモデルとなっています。
なお、姉妹車のブーンルミナスもパッソセッテと同時期に販売を終了していますが、マレーシアのプロドゥア(ダイハツとの合弁会社)から「アルザ」という車名で生産され、いまも販売を継続しています。
●ホンダ「ロゴ」
ホンダは「シビック」の下位に位置していた「シティ」の後継車「ロゴ」を1996年に発売。
66馬力を発揮する1.3リッター直列4気筒エンジンに5速MT、3速AT、CVTを組み合わせ、790kgから860kgと軽量な車体だったことで、ベーシックカーとしては十分な性能のクルマでした。
また、運転席用エアバッグを全車に標準装備し、高い乗員保護性能を持つ新設計シャシを採用するなど、安全面でも優れています。
ボディは3ドアと5ドアで、価格は3ドアの廉価グレード(5速MT)で77万円(消費税含まず)からと、ライバルに対してかなり戦略的な価格設定がされるなど、ホンダとしてもロゴに対して期待が大きかったと想像できます。
しかし、外観のデザインは大きな特徴がない地味な印象で、2回のフェイスリフトがおこなわれましたが、販売台数は低迷してしまい、2001年に生産を終了。
同年、シャシからエンジンまで新設計とした後継車の「フィット」が発売され、空前の大ヒットを記録することになります。
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