失敗作ではないけど売れなかった!? イロイロとやらかした車5選
バブルに散った2台のスペシャリティカーとは!?
●スバル「アルシオーネSVX」
1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、同社初のスペシャリティカーとしてデビュー。空力性能を重視したシャープなフォルムや、特徴的な内装のデザインで話題となりました。
そして、1991年には2代目となる「アルシオーネSVX」が登場。デザインは先代から一転して曲線を多用した、美しく流麗なフォルムに変更されました。
デザインコンセプトは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、それを基にスバルのデザイナーによって完成されています。
特徴的な「ミッドフレームサイドウインドウ」は他に類を見ないデザインで、アルシオーネSVXを象徴する特徴的なアイテムです。
エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDとされ、優れたハンドリングと安定性を両立。当時のスバルとしてはもっとも贅沢で先進的な装備を持ったクルマです。
しかし、発売直後にバブルが崩壊したことで販売は極端に低迷。それでも販売が続けられ1997年に生産を終了しました。
絶版車となった後にデザインが再評価され、いまではアルシオーネSVXを専門に扱う中古車店があるほどです。
●ユーノス「コスモ」
1980年代の終わりにマツダは販売チャネルの拡充をおこない、そのひとつであるユーノスから名車「ロードスター」が発売されると、ユーノスブランドは一気に認知度を高めました。
そして、1990年にフラッグシップクーペのユーノス「コスモ」を発売。ロー&ワイドでロングノーズの優雅なスタイルに、世界初の3ローターのロータリーターボエンジンを搭載するなど、まさにバブルの申し子といったモデルです。
この3ローターエンジンは280馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは4速ATのみで、10・15モード燃費は6.4km/hと極悪な燃費が話題になりました。
また、コスモには世界初となるGPSナビゲーションシステムを搭載(3ローター車に設定)するなど、当時の技術の集大成といえるクルマです。
価格は最上級グレードで530万円と高額なことと、燃費の問題、バブル崩壊によるマツダの収益悪化という背景もあって、わずか4年で生産を終了。
その後3ローターエンジンは作られることなく、コスモもこの代で消滅したため、いまでは伝説的なモデルとなっています。
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今回、紹介した5車種は、どれも足跡を残しているといえます。たとえばロゴのシャシはクロスオーバーSUVの「HR-V」やトールワゴンの「キャパ」に使われ、有効に活用されました。
ほかにも、ブルーバードシルフィは現在、「シルフィ」としてグローバルで販売される世界戦略車として成功しています。
単純に売れなかったクルマはほかにもありますが、アルシオーネSVXやコスモのようにいまも語り継がれるようなクルマも、非常に稀有な存在といえます。
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