車の「ライトオフ」が廃止!? なぜ意図的にライトが消せなくなった?
「オフ」が無いのは日本車だけじゃない!?
とにかくヘッドライトを点灯する時間を長くすることを狙っていることがわかります。たしかに、オートライトを標準位置とするのであれば基本的に「オフ」は必要ありません。
実は、これまでも輸入車では日本向けでもライトのオフスイッチがないブランドもありました。その代表がメルセデス・ベンツです。
理由はヘッドライトの付け忘れを防ぐためで、「オート」を標準として設定。つまり新型ルークスと同じ背景です。
また、筆者は日本メーカーの欧州向けモデルでもヘッドライトにオフがない車両を見たことがあります。つまり、これまで欧州向けなどでおこなわれていた仕掛けをベースとしたものが、日本向けにも広まったといういい方もできなくはありません(ただし走行中はオートとしなければならない部分で日本のほうが安全性に配慮しています)。

これまで踏み切れなかったのは「自分の意志でライトを点灯/消灯したい」という声があったからでしょう。しかし、この4月からのオートライト法制化では自分の意思での消灯ができなくなりました。そんな背景もあってルークスやeKスペース/eKクロススペースでの採用に踏み切ったということです。
ただし、車内で待機する駐車時など完全にライトを消したいというシーンもあるかもしれません。そんなときは、ルークスやeKスペース/eKクロススペースでは「ライトオートポジションかつパーキングブレーキがかかっている状態で、イグニッションをオフからオンにするとライトを完全に消すことができる」そうです。
もちろん、パーキングブレーキを解除して走り始めるとライトは自動点灯となります。
果たして、「オフ」のないライトスイッチはこれから広まっていくのでしょうか。
ルークスやeKスペース/eKクロススペースに続き、2020年4月16日に大幅改良を施した三菱「ミラージュ」では、マイナーチェンジにも関わらずオフのポジションが廃止されました。今後、ますます拡大するとみて間違いないでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

































