トヨタ「アクア」に存続危機!? 前年同月比54%… 同門「ヤリス」登場でどうなる?
トヨタの人気コンパクトカー「アクア」の売れ行きに陰りが出始めています。2020年3月の販売台数は前年同月比で53.5%を記録し、厳しい状況です。アクアの売れ行きが落ちたのは、いったいなぜなのでしょうか。
「アクア」売れ行きは大丈夫? 前年同月比の販売台数「54%以下」
トヨタ「アクア」は近年のコンパクトカー市場で人気のモデルです。日本自動車販売協会連合会が発表する登録車販売台数ランキングにおいても、2019年はコンパクトカーの2位を記録しています。
しかし2020年に入って、売れ行きに陰りが出てきており、対前年比を大きく割り込む月も出てきました。アクアの売れ行きは、今後どうなっていくのでしょうか。
アクアは、トヨタのハイブリッドシステム「THSII」を全車に搭載したハイブリッド専用車となるコンパクトカーです。発売されたのは2011年12月で、2020年には発売から丸9年目となっています。燃費性能はJC08モード38.0km/Lです。
発売から長い年月が経ったにも関わらず、アクアは長年日本のコンパクトカー市場をリードする存在でした。しかし、2020年に入ると売れ行きが落ち込む月も出はじめ、2020年3月には月間登録車販売台数ランキングで12位、前年同月比で53.5%を記録するなど、苦戦している様子です。
アクアの売れ行きに影響を与えたのは、2020年2月に発売されたトヨタ新型「ヤリス」です。新型ヤリスは、従来の「ヴィッツ」が全面刷新にあわせて車種名を変更したうえで登場したコンパクトカーで、アクアと競合する存在となります。
新型ヤリスはハイブリッド専用車ではないものの、ハイブリッド仕様の燃費性能は世界トップクラスのWLTCモード36.0km/Lを誇ります。WLTCモードはより条件が厳しい燃費測定の基準で、JC08モードよりも2割ほど数値が悪化することから、アクアよりも新型ヤリスの方が燃費性能が優れているといえるのです。これにより、アクアの優位性が失われつつあるのです。
実際にアクアと新型ヤリスを扱うトヨタの販売店スタッフに聞くと、「単純に新型ヤリスの方が新しいだけでなく、燃費性能が優れていることから、我々もアクアよりも新型ヤリスを積極的にお勧めしている状況です」と話します。
また、新型ヤリスにはアクアにはないメリットがあるといいます。前出の販売店スタッフは次のように話します。
「アクアにはFFモデルのみの設定ですが、新型ヤリスにはFFモデルに加えて4WDモデルの設定があります。これによって、新型ヤリスは積雪路面を走る機会のあるユーザーにもおすすめしやすくなっています」
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新型ヤリスは2020年3月の登録車販売台数ランキングで3位を記録。アクアと入れ替わるかたちで販売ランキング上位に食い込む結果となっています。
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