SUV市場に変化アリ? エクストレイルの低迷 王者から暗転した理由
日産「エクストレイル」といえば、国内のSUV市場をけん引する存在でした。しかし、直近の販売台数では、ライバル勢に押され徐々に販売台数を落としています。エクストレイルの販売状況に何があったのでしょうか
SUV市場をけん引してきたエクストレイルに何が!?
2000年代から日本のSUV市場をけん引してきた日産「エクストレイル」。同社の主力SUVということもあり、堅調な販売を誇っていました。しかし、直近の販売状況では低迷気味だといいます。エクストレイルに何が起きたのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会が公表した2019年度(2019年4月から2020年3月)の登録車販売台数において、エクストレイルは2万9325台を記録し、前年比63.1%と大きく台数を落とす結果となりました。
同時期のSUVジャンルでは、2019年4月に約3年ぶりの復活を果たしたトヨタ「RAV4」の7万1539台が全体12位に輝いています。
続いて、全体16位にトヨタ「C-HR」の4万8940台(前年比68%)、全体17位が同年11月に発売された「ライズ」の4万8809台、全体18位にホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」の4万8669台(前年比81.2%)。
ヴェゼルから少し間が空いて、全体26位にトヨタ「ハリアー(先代モデル)」の3万1280台(前年比74.0%)、全体28位にスバル「フォレスター」の3万515台(前年比90.7%)となっています。
そして、全体30位にエクストレイルがランクイン。国内のSUV市場は、さまざまなコンセプトを持ったモデルが各社から登場しており、年々激化する一方です。
しかし、上記の2019年度の各SUVを見るとそれぞれのモデルは堅調な販売台数を維持しているように見えます。
C-HRは、エクストレイル同様に前年比が落ち込んでいますが、これは同じトヨタ内にRAV4とライズという新型SUVが登場したことが影響していることが要因だと考えられます。
また、ハリアーも同じく同サイズのRAV4の影響やモデル末期だったこと、そして2020年4月13日に4代目モデルが登場しましたが、各メディアで噂が出ていたことなどが先代モデルの販売台数に影響したようです。
では、エクストレイルには、どのような低迷要素があったのでしょうか。都内にある日産の販売店スタッフは、次のように話します。
「色々な要因が考えられますが、大きいのはRAV4の登場では無いでしょうか。これまで、各社から出ていたSUVはいわゆる都会派SUVが主流でした。
エクストレイルも3代目に変わってからその傾向は強くなりましたが、それでも他社のSUVと比べるとアクティブなユーザーを取り込んでいたと思います。
しかし、タフでアクティブなイメージを全面に押し出したRAV4が登場したことで、ユーザーが流れた感じは否めません。実際に、2019年の販売時には比較検討されるお客さまが一定数おりました。
また、2019年後半頃からは次期型エクストレイルの登場が噂されるようになったことも、販売面では影響していると思います。
どのモデルでもそうだと思いますが、次期型モデルの噂が出てくると購入するかどうかを悩まれるお客さまがおります。
あとは、ライズやC-HR、ヴェゼルに代表されるよう、SUVのトレンドがコンパクトサイズに移っているのかもしれません」
※ ※ ※
このように、さまざまな事象がエクストレイルの販売低迷になっている要因のようです。また、前出の販売店スタッフは、「近々、日産でも新型コンパクトSUVが出てくるはずなので、しばらくはこのモデルに注力するため、これもエクストレイルの販売に影響するかもしれません」と話していました。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。