市場に出たらトンデモない価格になる!? 激レアなコンプリートカー3選
市販車をベースに、カスタマイズやチューニングされた状態で販売されるクルマをコンプリートカーといいますが、ショップが製作したものだけでなくメーカー系のクルマも存在します。そこで、かつて販売されたメーカー系の高性能コンプリートカー3車種をピックアップして紹介します。
珠玉のコンプリートカーを振り返る
かつて、チューニングカーというとショップや個人が製作するのが一般的でしたが、1980年代から自動車メーカーや関連会社がチューニングカーの製作をおこなうようになりました。
なかでも、市販車に大きく手を加えて新車として販売するコンプリートカーが1990年代に数多く誕生。品質や信頼性が高いことから好評を博し、いまも高い人気を誇っています。
そこで、かつて販売されたメーカー系コンプリートカーのなかから、高性能なモデル3車種をピックアップして紹介します。
●スバル「インプレッサ 22B-STiバージョン」
かつて、スバルといえば世界ラリー選手権(以下WRC)や、国内のラリー選手権、ダートトライアルなど、モータースポーツの世界で活躍していました。
なかでも本格的なWRC参戦は初代「レガシィ」から始まり、「インプレッサ」へと継承され、量産車をベースにラリー用に改造したグループAカテゴリのマシンによって、スバルのブランドイメージ向上にも貢献します。
そして、1997年以降はグループAの規定が大幅に緩和され、より改造範囲が広がった「WRカー」による戦いが始まり、スバルは2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」をベースに大幅に改造された「インプレッサ ワールドラリーカー97」を投入。
このマシンのロードゴーイングモデルとして、1998年に「インプレッサ 22B-STiバージョン」が400台限定で発売されました。
インプレッサ 22B-STiバージョンはスバルテクニカインターナショナルが製作したコンプリートカーで、ブリスターフェンダーによるワイドボディはWRカーそのものでした。エンジンも「EJ22改型」の型式が付与された最高出力280馬力の2.2リッター水平対向4気筒ターボを搭載。
ほかにもツインプレート・セラミックメタルクラッチや、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、アイバッハ製スプリング、BBS製鍛造アルミホイール、ピレリ「P-Zero」タイヤなどを装備しています。
当時の価格は500万円(消費税含まず)と、かなり高価でしたがすぐに完売し、いまでは中古車が1000万円以上の価格で取引されているようです。
●日産「シルビア オーテックバージョンK’s MF-T」
1965年に発売された日産初代「シルビア」は、スペシャリティカーの先駆け的存在です。その後、代を重ねるとスポーツカーとして人気を博します。
そして、1997年に6代目シルビアをベースに、日産の特装車などを製作するオーテックジャパンが「シルビア オーテックバージョン K’s MF-T」を製作。
このシルビア オーテックバージョン K’s MF-Tは、後期型の「ツリ目」をベースとし、エンジンは専用のターボチャージャーなどでチューニングされた2リッター直列4気筒ターボを搭載。最高出力はベースの220馬力から250馬力に向上しています。
外観では専用フロントバンパーにサイドステップ、さらに最大の特徴だったのが大型スポイラーの採用で、より押し出しの強さをアピールしていました。
内装もホワイトメーター、MOMO製スポーツステアリングなどを装備し、専用の生地を採用したシートやドアトリムによって、スポーティかつ特別な1台であることを演出。
ノーマルとは明らかに異なる見た目のシルビア オーテックバージョン K’s MF-Tは、大いに話題となりましたが、ベース車のモデルチェンジのためわずか1年ほどで生産を終えてしまい、いまではかなり貴重なモデルです。