カクカクしたボディが懐かしい! ボルボが手掛ける「クラシックガレージ」とは
ボルボのクラシックモデルを愛するオーナーのため、ボルボ・カー・ジャパンは、「KLASSISK GARAGE(クラシックガレージ)」というプロジェクトをおこなっている。その内容とはどんなものなのか。
内外装も、走りも蘇ったクラシック・ボルボ
「ナンバープレートを新しくすると書体が変わるんですよ。そうならないように、そのままにしています。こっちのクルマは、ナンバーを止めるボルトを見てください。ほら、京都の印がついているでしょ」と、にこやかにクルマを説明するのは、ボルボのKLASSISK GARAGE(クラシックガレージ)の担当者、阿部昭男さんだ。
ボルボのクラシックガレージというプロジェクトは、2016年8月にスタートした。
表記は英語ではなくボルボらしくスウェーデン語を使用する。プロジェクトは、すでに新車販売が終了している古いボルボ車の修理/メンテナンスと、レストアした車両の再販売だ。
スタート直後から入庫数は順調に伸びており、2016年は38台、2017年は81台、2019年は69台の修理/メンテナンスを実施。さらにレストアした車両の大多数となる19台を販売してきたという。
プロジェクトメンバーは、わずか3名ということもあり、昨年からは、中古車をレストアして再商品化する作業に注力するために一般修理の入庫を制限している状況。プロジェクトとしては、非常に順調に推移しているといえるだろう。
ちなみに、レストアで商品化された車両は、「240GLワゴン(1991年)」や「850T5-R(1995年)」、「960SXエステート(1993年)」、「780クーペ(1990年)」、「740GL(1990年)」、「P1800ES(1973年)」といったように、ステーションワゴンからセダン、クーペまで幅広い。1990年代の車両を中心に、さらに古いクルマが少数混じるというもの。さらに現在は、「アマゾン122S(1969年)」も商品化の作業中だという。
今回試乗したのは、1998年製ボルボ「S90クラシック」。それまで「960セダン」と呼ばれていたモデルで、「S90」という名前になった最初の1台だ。
ワンオーナーの個体は、まだ走行距離3万9000km。22年前のモデルとは思えないほどにシャシがしっかりしている。200ps/266Nmを発生する3リッターの直6自然吸気エンジンは、よく整備されているためかきっちりと回り、後輪駆動らしく濁りのない路面情報をハンドルに伝えてくる。当時の車両価格は580万円だった。
ボルボらしいスクエアなボディは、いま見ても新鮮だ。このモデルも237万円で中古車としてこれから販売されるという。
では、なぜ、ボルボの日本法人が、こうしたプロジェクトを実施しているのだろうか。
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