空気を味方に!? それとも見た目が大事? 年代別エアロパーツ装着車5選

GTウイングの登場。そして複雑な形状へと変化

●2000年代 ホンダ「S2000 タイプS」

進化の最終形態となった「S2000 タイプS」
進化の最終形態となった「S2000 タイプS」

 1990年代の後半から、市販車をベースしたレースで人気となったのが「全日本GTカー選手権」です。

 なかでもトップカテゴリーのGT500では、ホンダ「NSX」、トヨタ「スープラ」、スカイラインGT-Rといった、各メーカーの最高峰に位置するマシンが戦ったことで、注目されました。

 そこで、走り屋たちから人気となったのが巨大なリアウイングで、一般的には「GTウイング」と呼ばれました。

 翼断面の板状のウイングを、2本の支柱によってトランクリッドに装着し、走行風を当てることで下向きの力「ダウンフォース」を得るというもので、レース用のGTカーには必須アイテムでした。

 このGTウイングを採用した市販車として、1999年に発売されたホンダ「S2000」が挙げられます。

 S2000はホンダの創立50周年を記念事業のひとつとして開発されたFRオープンスポーツで、250馬力を発揮する2リッター直列4気筒を搭載するなど、高性能さが世界中から称賛されました。

 2007年のマイナーチェンジでは、前後にエアロパーツを装着し、装備を充実させた「タイプS」を追加。

 左右に大きく張り出したフロントスポイラーは、高速走行時のダウンフォースだけでなく、ボディ下面に流入する気流もマネージメントし、巨大なリアウイングは中央部を造形でシート後方の乱流を積極的に整流する効果があります。

 S2000以外では、マツダ「RX-7」や、スバル「WRX STI」などのコンプリートカーでGTウイングを採用していました。

●現在 ホンダ「シビックタイプR」

複雑な形状のエアロパーツをまとう「シビックタイプR」
複雑な形状のエアロパーツをまとう「シビックタイプR」

 ホンダの高性能グレードに与えられる「タイプR」は特別な存在で、1992年の「NSXタイプR」から始まり、1995年に「インテグラタイプR」、そして1997年に「シビックタイプR」と、バリエーションを拡充しました。

 そして、現行モデルで唯一のタイプRが、2017年に登場したシビックタイプRです。

 最高出力320馬力の2リッター直列4気筒ターボエンジンの駆動力を、6速MTを介してフロントタイヤだけで路面に伝達し、大人4人が乗車できる室内空間を持ちながらも、2017年4月には「ニュルブルクリンクサーキット」北コースで7分43秒のタイムを叩き出し、市販FF車最速を記録しました。

 それほどの性能ながら、走行モードの切り替えによって市街地ではマイルドな乗り心地が得られるなど、まさに新時代のタイプRです。

 外観では複雑な形状の前後スポイラーが装着されています。シミュレーターの進化や風洞実験によって、空気抵抗を抑えつつ、効率良くダウンフォースが得られるとしています。

 2020年夏には改良モデルが発売予定となっていますが、欧州では小ぶりなリアウイングとした仕様が用意されるなど、まだまだ話題が尽きません。

※ ※ ※

 エアロパーツの変遷を紹介しましたが、エアロパーツの効果は公道ではほとんど得られないともいわれています。

 とくにダウンフォースはサーキット走行や、アウトバーンのような場所では効果が発揮されますが、日本の道路では、効果が得られるほどの速度まで上げられません。

 ただし、空力は燃費には重要な要素なので、今後は空気の整流を目的としたエアロパーツが、もっと増えるかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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