空気を味方に!? それとも見た目が大事? 年代別エアロパーツ装着車5選

かつて、エアロパーツは後付する特殊なパーツでしたが、市販車への装着で徐々に一般化し、現在ではスポーツ走行だけでなく低燃費を実現するためにも必須のパーツとなっています。そこで、エアロパーツの変遷を、年代別に装着車5車種をピックアップして紹介します。

エアロパーツの進化が垣間見られるクルマたち

 1970年代、外観のデザインに「空力」を強く意識したモデルが登場し始めます。空力という概念はもっと古くからありましたが、最高速度など走行性能だけでなく、燃費や操縦安定性にも空力が重要だったためです。

エアロパーツは機能だけでなく視覚的効果もあり
エアロパーツは機能だけでなく視覚的効果もあり

 そこで注目されたのが「エアロパーツ」で、元々はレーシングカーに使われており、市販車では主にスポーツカーに装着され、次第にさまざまな車種で採用されるようになりました。

 そこで、エアロパーツの変遷を、年代別に装着車5車種をピックアップして紹介します。

●1970年代 トヨタ「カローラレビン」

オーバーフェンダーが高性能車の証だった「カローラレビン」
オーバーフェンダーが高性能車の証だった「カローラレビン」

 1972年に、トヨタを代表する大衆車「カローラ」の高性能グレードとして「カローラレビン」が登場。カローラレビンは高性能エンジンを搭載し、スポーティなスタイルと相まって、当時の若者から高い人気を誇りました。

 トップグレードには最高出力115馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。

 外観ではグリップ力が高い幅広タイヤが装着されることを想定し、タイヤがボディからはみ出ないようにオーバーフェンダーを標準装備していました。

 当時、純正オーバーフェンダーを装着したのは、1970年発売の日産「スカイライン2000GT-R(2ドア)」、1973年発売の日産「チェリーX1-R」、三菱「コルトギャランGTO 2000GS-R」などがあります。

 また、同時期には日産「フェアレディZ」などで、小ぶりなリアスポイラーが装着され始めました。

 しかし、運輸省(現在の国土交通省)から、事故増加にともなって高性能車への締め付けが強まり、オーバーフェンダーやリアスポイラーの装着が認可されなくなります。

 その結果、1970年代の後半には、純正エアロパーツは一旦消滅することになりました。

●1980年代 日産「オースター ユーロフォルマ」

ホワイトのボディにエアロパーツという王道の組み合わせの「オースター ユーロフォルマ」
ホワイトのボディにエアロパーツという王道の組み合わせの「オースター ユーロフォルマ」

 1980年代になるとターボ車が急激に増え、各メーカーから高性能モデルが続々と発売されます。それにともなって、エアロパーツも復活。

 当時のトレンドは、フロントスポイラー、サイドステップ、リアアンダースポイラー、リアスポイラーと、クルマの周囲を一周して装着されるエアロパーツでした。

 さまざまな車種がこうしたエアロパーツを装着していましたが、珍しい車種として、1985年に発売された日産3代目「オースター」が挙げられます。

 オースターは同時期にFF化された「ブルーバード」と多くの部品を共有した4ドアセダンで、欧米などでも販売された世界戦略車です。

 2代目がやや丸いフォルムで不人気車となってしまったため、3代目では直線基調のデザインとなっています。

 オースターには、前述のエアロパーツがすべて装着された「1.8Siユーロフォルマ」、「1.8Rttユーロフォルマ TWINCAM TURBO」がラインナップされ、いわゆる「フルエアロ仕様」に該当します。

 日本では欧州車に触発されてセダンにフルエアロというのが流行し、アフターマーケットでもエアロパーツが数多く発売されました。

 なかでも柔らかいウレタン素材などでできたリアスポイラーが、手軽にドレスアップできるアイテムとして大人気となります。

●1990年代 三菱「ランサーGSRエボリューション」

市販車に大幅な進化をもたらした「ランサーGSRエボリューション」
市販車に大幅な進化をもたらした「ランサーGSRエボリューション」

 1980年代の終わりから1990年代にかけて、エアロパーツは大型化していきました。

 なかでもリアスポイラーの大型化が顕著で、トランクリッド上に隙間なく貼り付けるタイプから、トランクから大きく浮き立ったフローティングタイプに変わり、リアウイングと呼ばれるようになります。

 1992年にデビューした、三菱初代「ランサーGSRエボリューション」は、世界ラリー選手権(WRC)に出場するため、4代目「ランサー1800GSR」に最高出力250馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンと、フルタイム4WDシステムが搭載した、まさに戦うスーパーセダンです。

 この初代ランサーエボリューションには、グループAというカテゴリーでラリーに参戦するため、エアロパーツが標準で装着されていました。

 グループAは市販車をベースに改造したマシンで戦いますが、ドアミラー以外の外観の変更ができないルールで、後からエアロパーツの装着もできないため、市販の状態でエアロパーツが装着されたということです。

 同様な事例として、スバル「インプレッサWRX STi」やスカイラインGT-Rなどが挙げられます。

 その後、保安基準に合致する範囲で、年を追うごとにリアウイングが大型化していくとともに、市販車の走行性能も飛躍的に向上していきました。

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1件のコメント

  1. 社外エアロパーツには「ブリスター」という、表面にブツブツが現れる現象が高確率て起こります。見えない所に出てくるのならば良いのですが、酷いときは表面全体に現れて、見た目が損なわれてしまいます。しかし、これはFRPの性格上仕方のないことらしく、メーカーでは全く保証してくれません!!
    何十万円もの大金を支払っているにもかかわらず売ったら放置です!
    それに、一発で車体に装着できるとは限りません。ソリが合わないと板金屋さんで余計な出費がかさむことになります。このことをメーカーに文句を言っても、「これはあまりまえのこと」と言われておしまい!
    メーカーは購入前にこのことを確認しても、「ウチは大丈夫」と言ってきます。勿論出ないこともありますので間違ったことは言っていないとおもいます。しかし、ブリスターが出てしまった場合は絶対に保証してくれませんよ!
    購入を検討する人は、高い買い物なので覚悟を決めて注文してくださいね!

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