三菱「新型グランディス」に大注目! 10数年ぶり復活の「家族向けモデル」は6速MT設定×最新「ダイナミック顔」採用! 日本でもヒットした“ミニバンの祖” 欧州登場で国内導入も期待

三菱自動車工業が欧州で発表した「グランディス」。日本でも注目を集めていますが、どのようなクルマなのでしょうか。

SUVになった「グランディス」

 三菱自動車工業(以下、三菱)は2025年7月2日に、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」を世界初公開しました。

 グランディスという車名はラテン語で「大きい」「雄大な」という意味に由来し、広々とした室内空間と堂々とした力強いエクステリアデザインを象徴しています。

 日本のユーザーにとっては、過去に存在していた3列シート車を思い出す人も多いのではないでしょうか。

欧州で復活した三菱「グランディス」
欧州で復活した三菱「グランディス」

 グランディスは1983年に登場した3列シートミニバン「シャリオ」を祖とし、日産「プレーリー」とともに、乗用車ベースの3列シート車の元祖ともいえる存在です。

 1997年に登場した3代目から「シャリオグランディス」となり、2003年に登場した4代目でシャリオの名称を捨て、グランディスの単独車名へと変更。日本では2009年まで三菱のラインナップの一角を担っていたモデルでした。

 そんなグランディスの名前を受け継いだ今回の新型モデルは、アライアンスパートナーであるルノーよりOEM供給を受ける「CMF-Bプラットフォーム」を採用したコンパクトSUVとなります。

 のパワートレインはマイルドハイブリッドとハイブリッドの2種類を設定しています。

 コンパクトSUVとなったことで従来の3列シートとはならず、2列5人乗りというレイアウトとはなっていますが、「ファミリー向け」と称し、車名に恥じない広々とした室内空間と堂々とした力強いエクステリアデザインを備えています。

 リアシートは最大160mmの前後スライド機能を備えており、リアシートを一番前にスライドさせれば566リッター、リアシートバックを倒せば最大1455リッターもの広大な積載容量を実現。ハンズフリーで開閉できるエレクトリックテールゲートも設定します。

 またパノラマガラスルーフには、スイッチ操作でガラスの透過と調光の切り替えが可能な機能を採用しており、フロントとリアを個別に調整することができるというのもポイントです。

 パワートレインは、マイルドハイブリッド仕様が1.3リッターの直噴ガソリンターボエンジン、ハイブリッド仕様が1.8リッターのガソリンエンジンに36kWの駆動用モーター、15kWの発電用の2つのモーターを搭載。

 2つのインバーターとコンバーターを内蔵したパワーエレクトロニクスボックス、1.4kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー、走行状況に応じて駆動を最適化するスマートマルチモードギアボックストランスミッションを組み合わせ、最高出力115kW(約156馬力)を実現。

 なおマイルドハイブリッド仕様では7速のデュアルクラッチATのほか、6速MTが用意されるのも、欧州市場車らしいポイントといえるでしょう。

 そしてエクステリアでは、三菱のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用し、リアにおいては「スカルプチュアル ヘキサゴン」というデザインアイデンティティを採用。

 彫り込まれたような六角形のモチーフが、力強さと三菱のDNAを表現するとともに、水平に配したリアコンビランプが洗練とモダンな印象を表現しており、他の三菱のSUVに共通する力強いスタイルとなっています。

 新型グランディスはスペインのルノー社バリャドリード工場で生産されるということで、現状日本へ導入される可能性は高くなさそう。

 しかし、そのスタイルは日本でも人気を集めそうな仕上がりといえるのではないでしょうか。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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