ターボ装着はパワーアップ目的だけじゃない!? 初期の日産ターボ車5選
現在、高性能車やダウンサイジングエンジンに欠かせないアイテムといえばターボです。クルマに初めてターボが採用されたのは1970年代初頭で、そこからは一気に普及しました。そこで、黎明期だったころの日産製ターボ車を5車種ピックアップして紹介します。
国産ターボ車の歴史は日産から始まった
現在、高性能エンジンやダウンサイジングエンジンに欠かせないパーツといえば、ターボチャージャー(以下、ターボ)です。
ターボはコンプレッサーの一種で、排気ガスの流れでタービンブレードを回して空気を圧縮し、エンジンに送り込むことで大きなパワーを得ることができます。
その歴史は古く、第二次大戦では航空機に使われましたが、クルマに搭載されたのは1970年代初頭からで、国産車では日産が初めて搭載し、その後は急激に普及しました。
そこで、黎明期に登場した日産のターボ車を、5車種ピックアップして紹介します。
●セドリック/グロリア
乗用車で日本初となる直列6気筒ディーゼルエンジン、さらに日本初のターボエンジン搭載車として記念すべきモデルが、1979年に登場した「セドリック/グロリア」です。なお、セドリックは5代目、グロリアはプリンス時代から6代目にあたります。
セドリック/グロリアに搭載された2リッター直列6気筒ターボエンジンの「L20ET型」は、最高出力145馬力、最大トルク21.0kgmを誇り、2.8リッター自然吸気エンジンと同等の走行性能を実現。
一方で、アクセルを踏み込んでからパワーが出るまでに時間が掛かる「ターボラグ」が顕著だったことや、異常燃焼を防止するためにガソリンを濃く噴射する必要があり、市街地での燃費の悪化は避けられませんでした。
技術的に改良の余地がありましたが、このセドリック/グロリアが登場したことで、ターボの急激な普及が始まることになります。
●スカイライン
1980年、日産はセドリック/グロリアとまったく同じスペックのL20ET型ターボエンジンを、マイナーチェンジのタイミングで5代目「スカイライン」にも搭載。
スカイラインにターボエンジンを搭載した意義としては、初のスポーティモデルということが挙げられます。
スカイラインよりも先にラグジュアリーセダンのセドリック/グロリアへターボエンジンが搭載されたのは、パワーよりも熱効率向上を目的として、運輸省(現在の国土交通省)の認可をスムーズに得るためといわれ、本命はスカイラインだったのかもしれません。
一方で、セドリックに較べて軽量なスカイラインセダンであっても、L20ET型では十分なパワーとはいえず、本格的なスポーツモデルとなるのは、次世代の6代目スカイラインに追加された「RSターボ」の登場まで待たなければなりませんでした。
●シルビア/ガゼール
1979年に、競合するトヨタ「セリカ」に対して、日産は3代目「シルビア」を発売します。先代は曲線を多用したデザインの2ドアファストバッククーペでしたが、国内では人気が無く、3代目では一転して直線基調のシャープなデザインとしてヒット作となりました。
ボティタイプは2ドアハードトップと3ハッチバックで、この世代から日産モーター店の取扱車として兄弟車の「ガゼール」が加わります。
発売当初に搭載されたエンジンは1.8リッター直列4気筒の「Z18型」と2リッターの「Z20型」で、それぞれにキャブ仕様と電子制御燃料噴射装置仕様を設定。
そして、1981年にマイナーチェンジされ、内外装の変更とともに直列4気筒ターボエンジンの「Z18ET型」を搭載した「ターボZSE/ZSE-X」が追加ラインアップされました。
Z18ET型は最高出力135馬力、最大トルク20.0kgmを発揮して、トヨタのDOHCエンジンに対抗します。
なお、このエンジンはシルビア、ガゼールのほかに6代目「ブルーバード」にも搭載され、大ヒットしました。
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