ターボ装着はパワーアップ目的だけじゃない!? 初期の日産ターボ車5選

平成の始まりとともに凄いコンパクトカーが誕生!

●サニー

FFに生まれ変わって1.5リッター初のターボ車となった「サニーターボルプリ」
FFに生まれ変わって1.5リッター初のターボ車となった「サニーターボルプリ」

 1980年代になると、日産のターボ戦略はコンパクトカーにもおよびます。1966年に初代が発売された日産を代表する大衆車の「サニー」は、代を重ねて1981年には5代目が登場。

 5代目サニーで最大のトピックスは、シリーズ初のFFとなったことです。コンパクトカーのライバルたちがFF化するなか、日産もその流れに追従しました。

 発売当初のボディタイプは4ドアセダン、3ドアハッチバッククーペ、そしてステーションワゴンの「カリフォルニア」をラインアップ。

 そして1982年に、4ドアセダンと3ドアハッチバッククーペに、1.5リッター直列4気筒ターボの「E15ET型」を搭載した「ターボルプリ」が発売され、最高出力115馬力、最大トルク17.0kgmを発揮し、ひとクラス上の動力性能を獲得します。

 なお、このE15ET型は、1.5リッターエンジンで日本初のターボエンジンという記念すべきモデルです。

 外観でもターボ車をアピールするため、フロントグリルに鏡文字で「TURBO」ロゴが入っており、前走車のルームミラーで見ると正しくTURBOに見えるという演出で、スカイラインもバンパーに同様なステッカーを貼ることができました。

●マーチターボ

まさにベビーギャングと形容されるスタイルの「マーチターボ」
まさにベビーギャングと形容されるスタイルの「マーチターボ」

 1982年に発売された次世代のコンパクトカー「マーチ」は、イタリア人デザイナーの巨匠ジウジアーロによってデザインされ、日本のみならず欧州でも販売された世界戦略車です。

 1リッターエンジンを搭載するFF車で、いわゆるリッターカーにカテゴライズされ、発売当初は3ドアハッチバックのみでしたが、後に5ドアハッチバックが加わります。

 また、宣伝活動がユニークで、車名は一般公募で決定され、CMやカタログのキャラクターに当時人気絶頂だったアイドルの近藤真彦さんを起用。「マッチのマーチ」のキャッチコピーで大ヒットにつながりましまた。

 そして、1985年のマイナーチェンジで3ドアハッチバックに、最高出力85馬力、最大トルク12.0kgmを発揮する1リッター直列4気筒ターボの「MA10ET型」エンジンを搭載した「マーチターボ」を追加。

 外観にはフォグランプを内蔵するエアロバンパーやリアスポイラーを装備し、2本出しのマフラーとするなど、高性能さをアピールします。

 さらに、1988年にターボとスーパーチャージャーを搭載したレースベース車の「マーチR」を発売し、翌1989年にはストリートバージョンの「マーチスーパーターボ」が登場。どちらも最高出力110馬力、最大トルク13.3kgmを絞り出し、乗り手を選ぶじゃじゃ馬モデルとして、いまも語り継がれています。

※ ※ ※

 ターボはエンジンのパワーを飛躍的に向上させました。1980年代後半のF1では、1.5リッターエンジンで1000馬力を誇り、現在のF1ではモーターのパワーも合わせると、1.6リッターエンジンながら1000馬力近くを発揮するといわれています。

 このように簡単にパワーアップできるターボが、急速に普及した1980年代前半から、三菱はすべての車種にターボエンジンを設定することを推し進め、単にパワーアップだけでなく利益の向上を狙いました。

 それは、ターボを装着するだけで、掛かるコスト以上の金額を車両価格に上乗せでき、高い利益を生むことになるからです。

 現在もターボによるコスト削減がおこなわれており、同一排気量でもターボのセッティングだけで最高出力が設定できるため、排気量の異なる複数のエンジンを用意する必要も無くなってきました。

 また、ダウンサイジングターボエンジンでは、排気量を小さくして気筒数を減らすことでコストダウンが図られるとともに、軽量化によって走行性能の向上も見込めるという、まさに一石二鳥です。

 さらに、日本では排気量が小さくなれば自動車税額が安くなるケースもあるので、ユーザーにもメリットがあります。

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