戦車みたいな軽トラックがあった!? ユニークすぎる軽商用車3選
悪路走破性はジムニー以上! ゴツすぎる軽トラックとは1?
●三菱「ミニキャブトラック4クローラー」
三菱が販売する「ミニキャブ」は、1966年に初代が発売された長い歴史を持つバン、トラックです。現行モデルは自社生産ではなくスズキからOEM供給されていますが、EVバンの「ミニキャブMiEV」のみ三菱が生産しています。
このミニキャブトラックに、特装車として1997年にラインナップされたのが「ミニキャブトラック4クローラー」です。
ミニキャブトラック4クローラーは4WDモデルをベースに、タイヤの代わりに4つのクローラーが装着され、泥ねい地や砂地での農作業、土木工事現場、スキー場など積雪地における荷物の運搬に特化したクルマとなっています。
また、車検証には、タイヤ装着時とクローラー装着時の2種類の諸元が記載され、特殊車両ではなく軽自動車として登録できるため、普通免許で運転できるだけでなく、一般公道をタイヤ、クローラーどちらでも走行が可能となっており、利便性を高めています。
かつて、こうしたクローラーが装着された軽商用車は、各社から販売されていました。いまも社外品でクローラー単品が販売されており、スキー場などで見たという人もいるのではないでしょうか。
ちなみに、ミニキャブトラック4クローラーに装着されたクローラーユニットは、ひとつ約70kgあり、交換作業はかなりの重労働だったと思われます。
当時の新車価格は182万6000円(消費税含まず)と、特殊なモデルの割には意外と安価に設定されていました。
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現在、ガソリンエンジンの軽トラックは、スズキ、ダイハツ、ホンダの3社のみが生産していますが、ホンダは2021年に「アクティトラック」の生産を終了するとしています。
この決断の理由としては、軽トラックのシェアは2社に大きく引き離されているため、収益的に新型の開発を断念せざるを得ない状況のようです。
前述のとおり、ホンダの4輪自動車製造の原点は軽トラックです。半世紀にわたる長い歴史がありますから、ホンダにとっても苦渋の決断だったのではないでしょうか。