初のGPSカーナビはバブルを象徴する車に搭載!? 初モノを採用した車5選

近年、衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全装備の普及は、目覚ましいものがありますが、数年前には装備しているだけで話題になるほど珍しいものでした。そこで、現在のクルマでは当たり前のようになったものを初採用したモデル、5車種をピックアップして紹介します。

コレが最初! いまでは当たり前の装備を初採用したクルマとは

 いまでは当たり前のように搭載されているクルマの装備のなかには、普及に長い時間が掛かったものもあります。

偉大な先駆者ともいえる初モノを採用したクルマ
偉大な先駆者ともいえる初モノを採用したクルマ

 たとえば、パワーステアリングやパワーウインドウは、1960年代の国産車にはほとんど搭載されていませんでしたが、まずは高級車に採用され、後に小型車にも普及し、現在は装備していないクルマを探すのが難しいほどです。

 そこで、現在のクルマでは当たり前のようになった装備を初採用したモデル、5車種をピックアップして紹介します。

●国産車初のターボエンジン車 日産「セドリック/グロリア」

国産初ターボの日産「セドリック/グロリア」はユーザーのニーズにマッチ
国産初ターボの日産「セドリック/グロリア」はユーザーのニーズにマッチ

 1960年に発売された日産「セドリック」は、同社初のモノコックボディを採用した中型乗用車で、日産を代表する高級セダンです。

 日産とプリンスの合併後は「グロリア」が姉妹車となり、1979年に登場した5代目には国産乗用車初となるターボエンジン搭載車がラインナップされました。

 ターボチャージャーはコンプレッサーの一種で、排気の流れを利用してタービンで空気を圧縮し、エンジンへ送り込むというものです。

 2リッター直列6気筒ターボ「L20ET型」エンジンは電子制御燃料噴射装置を搭載し、最高出力145馬力を発揮。これは上位グレード用の2.8リッター直列6気筒「L28E型」エンジンと同じ出力でした。

 当時、3ナンバー車は自動車税が非常に高額だったため、2リッターながら2.8リッター並の出力を誇るセドリック/グロリアは大ヒットします。

 なお、ターボの過給圧が上昇していない状態で、車重約1.4トンの車体を加速されるにはアクセルを大きく踏み込む必要があり、市街地などの実燃費は2.8リッター車の方が良かったようです。

 1980年代になるとターボ車は日産車だけでなく、各メーカーから次々と発売されて急速に普及し、現在に至ります。

●国産車初のドアミラー装着車 日産「パルサーEXA」

意外と昔だった!? 初のドアミラー車となった「パルサーEXA」
意外と昔だった!? 初のドアミラー車となった「パルサーEXA」

 1978年に日産「チェリーF-II」の後継車として発売された「パルサー」は、欧州市場を強く意識したFFコンパクトカーです。

 1982年に2代目へとモデルチェンジした際に、2ドアクーペの「パルサーEXA(エクサ)」を追加。当時人気が高かった「シルビア」をイメージさせる短いルーフと、切り立った角度のリアウインドウや、リトラクタブルヘッドライトを採用するなど、スポーティなコンパクトクーペとして若者から高い支持を得ます。

 そして、1983年のマイナーチェンジでは国産車初となるドアミラーが装着されました。

 ドアミラーはフェンダーミラーとくらべて視線の移動量が大きくなってしまいますが、ドライバーと鏡の距離が近く確認しやすいということと、なによりも車体のデザインがスタイリッシュになるという大きなメリットがあり、欧米のクルマでは古くから一般的でした。

 1983年のドアミラー解禁以降は、日産以外の各メーカーでもドアミラーが普及しましたが、しばらくは不慣れなユーザーのために、フェンダーミラーもメーカーオプションで用意されていました。

●国産車初のSRSエアバッグを搭載 ホンダ「レジェンド」

開発者の努力が実を結んだエアバッグは「レジェンド」から
開発者の努力が実を結んだエアバッグは「レジェンド」から

 1985年にデビューしたホンダ初代「レジェンド」は、同社のラインナップの頂点に位置する高級車です。

 ホンダ初となるV型6気筒エンジンを搭載し、スタイリッシュなフォルムに上質かつスポーティな走りをみせるなど、ホンダらしさがあふれていました。

 また、北米での高級車ブランド「アキュラ」の展開に貢献するなど、グローバルで成功を収めたモデルでもあります。

 そして、1987年のマイナーチェンジで、国産車初のSRSエアバッグが装備されました。センサーが衝撃を検知すると、インフレーターに着火されエアバッグが展開するという、現在とまったく同じ仕組みでした。

 初代レジェンドのエアバッグは運転席側のみでしたが、上級グレードに標準装備され、一部グレードにはメーカーオプションで装着できましたが、価格は20万円と高額でした。

 また、初代レジェンドはABSも搭載するなど、当時最先端の安全装備を採用したことで話題となります。

 その後、エアバッグは各メーカーの高級車に装備されるようになり、コストダウンされると一気に普及が進みました。

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