マイカーが必需品な地域の家計事情は? 若年層が車を維持する実態とは
都市部とは違って、郊外や田舎ではクルマは必需品です。しかし、地域によっては大都市との平均収入に差がある場合もあります。若年層であるなどの理由で収入が低い地方在住の人は、どのようにクルマを手に入れて、維持しているのでしょうか。
地方では、クルマは「貰えるモノ」!?
国内の大手ポータルサイトが厚生労働省の調査を元に集計した調査によれば、2018年の地域別年収は、1位は東京都の約622万円で、2位は愛知県(約555万円)、3位は神奈川県(約553万円)です。
反対に、もっとも低いのは、宮崎県の約366万円で、次に沖縄県の約369万円、秋田県の約371万円と続きます。これは年齢、性別を区別しない調査なので、若年層などはさらに年収が低い可能性もあります。
こうした地域では、クルマがないと出勤や買い物などの生活するうえで必要な外出が難しいこともあります。しかし、クルマはそれ自体が安いものではない上に、年間の維持費も馬鹿になりません。
では、若年層であるなどの理由で収入が少なく、かつ生活にクルマが不可欠な地域に住む人は、どのようにクルマを購入・維持しているのでしょうか。
秋田県にある自動車整備工場のスタッフは、次のように話します。
「私達の地域では、自動車メーカーの販売店や中古車店のほかにも、整備工場を通じてクルマを購入することがあります。
新車を買うときは販売店に行きますが、できるだけ安くしたい場合は、整備工場が下取りしたクルマを紹介してもらうことがあります。
なかには知り合いが乗らなくなった軽自動車などを譲ってもらうこともあります。そうしたクルマは下取り価格が低いこともあるので、売却するよりは、譲った方が良いと考える人もいます」
クルマは、店舗で買うこともあれば、譲ってもらえることもあるとのことですが、これは地域の縁があってこその強みでしょう。
また、地方に住む世帯は家族・親戚間の繋がりが強いことも考えられることから、そのなかでクルマを譲ってもらえることもあるでしょう。
そして、クルマの維持について、前出の自動車整備工場のスタッフは、次のようにも話しています。
「年収100万円ではクルマを維持することは難しいかもしれませんが、年収200万円であれば、維持はできると思います。
例えば、軽自動車であれば軽自動車税は年間1万800円で済みますし(自家用乗用軽自動車の場合)、車検や保険の費用も普通車に比べ低く抑えられます。
また、地方は広い駐車スペースのある家が多いので、県庁所在地などの都市部に住まなければ、駐車場台はほとんどかかりません」
※ ※ ※
大手自動車保険会社の調査によれば、車検、ガソリン、駐車場代などを含んだクルマの年間維持費は、軽自動車で約25万円、コンパクトカーで約30万円、ミニバンで約35万円になるとされています。
一般的に手取りともいわれる「可処分所得」は、年収の約80%といわれていますので、年収200万円の場合の可処分所得は160万円程度となります。
軽自動車の年間維持費を差し引くと145万円程度となりますが、実家暮らしであれば、一人暮らしと比べて生活費などを圧縮できるかもしれません。
年収200万円の場合でも、こうしたクルマの購入費用を安く抑え、駐車場などのコストがかからなければ、クルマを維持することも可能といえるでしょう。
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