最短距離を選ばないカーナビ、実は賢い? 激狭すぎて通れない道「旧道」の怖さとは
カーナビにルート選択を任せると、予想していた道から大きく迂回させられることがあります。ときには遠回りとも思えるルートを取ることもありますが、なぜカーナビはそのような道を案内するのでしょうか。
カーナビのルートは旧道を避けている? そもそも「旧道」とは
カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)にルート選択を任せると、予想していた道から大きく迂回させられることがあります。地図を見るとナビよりも最短距離を行く道が存在することもありますが、ナビは何故そのルートを選択しないのでしょうか。
その理由は道幅にあるようです。カーナビの選択するルートについて、あるカーナビメーカーのスタッフは以下のように話します。
「カーナビは出発地点と目的地の間で、最適なルートを選択しています。
弊社のカーナビには、広い道路から細い道路まで、道幅を5段階に分けて優先する道を設定できる道幅優先機能があります。通常は走りやすいルートや時間のかからないルートを優先します。なお、5段階のうちもっとも狭い道は、幅5.5m未満となっています」
こうした狭い道には、「旧道」と呼ばれる道路が含まれます。国土交通省によれば、旧道は現在、主として使われている「現道」や、新たに整備された「新道」の対になるものを指すとしています。
また、国土交通省の資料によれば、2006年時点で「現道」と「新道」を合わせた総延長が119万3273.8kmあるのに対し、「旧道」は3534.8kmあるとされています。
新道は、新たに開通したバイパスや国道など、クルマの流れを良くするために作られているため、広い道幅、複数車線化、車道と歩道の分離などの特徴を持っています。しかし、旧道は道幅が狭く、車道と歩道の区別が曖昧だったりします。
たとえば、大阪府・高槻市から同府・泉佐野市まで繋がる、国道170号線には、新道と旧道のふたつがあり、旧道にはセンターラインがなく、クルマ同士がすれ違うことが困難な道幅の場所もあります。
国道でありながら大型車は通行禁止とされるなど、まさしく旧道といえるでしょう。
前出のカーナビメーカーのスタッフは、旧道と新道について次のように話します。
「カーナビに旧道と新道を明確に区別する機能はありませんが、あまり使われていない道路に誘導することは無いと思われます」
また、カーナビなどの設定をすることもある自動車工場のスタッフは、以下のようにも話しています。
「地図上では最短距離を行く道があったとしても、カーナビが選んだ遠回りのルートの方が短い時間で到着することもあります。
とくに山道をショートカットするようなルートは、道路が荒れていたり、道幅が狭かったり、旧道の場合もあるため、地図上の最短距離の方が時間がかかることもあるでしょう」
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カーナビは、旧道を含めた「狭く、走りにくい」道路を避けて、ルートを選択しているようです。
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