東京2020で開催地の交通混乱必至!? 半年前のいま予習しておきたい規制の内容とは

夏に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、とくに都市部での交通への影響が懸念されています。オリンピック・パラリンピック期間中の交通規制にはどのようなものがあるのでしょうか。

一般車が大会関係者用レーンを走行すると、交通違反に?

 2020年7月より開催される東京オリンピック・パラリンピックまで、半年を切りました。開催期間はオリンピックが2020年7月24日から8月9日、パラリンピックが8月25日から9月6日の期間を予定しており、選手だけでなく、選手を支えるスタッフや報道関係者、そして観戦客が世界中から訪れます。

 これだけ多くの人が日本へ集結すると、開催エリアでの交通が混乱するおそれがありますが、市民が受ける影響には、現時点でどのようなものが考えられているのでしょうか。

東京オリンピック・パラリンピック期間中に気をつけたい交通規制の内容とは(写真はイメージ)
東京オリンピック・パラリンピック期間中に気をつけたい交通規制の内容とは(写真はイメージ)

 2013年に、当時の招致委員会が国際オリンピック委員会へ提出した「立候補ファイル」では、追加種目を含まない状態の予測として、東京オリンピックの大会関係者を7万人、大会スタッフを17万人、観客を780万人、東京パラリンピックではそれぞれ、2万人、10万人、230万人と、延べ1000万人を超える人々の移動を見込んでいます。

 大会会場は、東京都心・都下、神奈川県、埼玉県、千葉県、福島県、宮城県、北海道札幌市など全国各地にありますが、当初は「コンパクト五輪」をコンセプトとしていたこともあり、東京都中央区晴海に整備される選手村を中心とした半径8km圏内に、およそ6割の会場があります。

 それぞれの地域では、開催期間中の交通についてさまざまな対応策が示されていますが、なかでもとくに多くの規制がされるのは都心中央部です。

 2019年7月には、一部区間の通行制限や高速道路の入口を封鎖するテストが実施されましたが、本番ではさらにさまざまな対策や規制が予定されています。

 まず、関係者の輸送を安全、円滑かつ効率的で信頼性の高い関係者輸送を実現するため「オリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)」および「パラリンピック・ルート・ネットワーク(PRN)」を設定する予定です。

 この標識が示すルートは、大会関係者も通行する道路です。交通状況に応じて、高速道路や一般道では交通規制が実施されるため、東京2020組織委員会は「できるだけそのルートを使用しない」、「競技開始付近の時間帯にルートを使用しない」、「ルート上ではできるだけ駐停車しない」などへの協力を呼びかけています。

 なお、2020年2月上旬より首都高で設置が始まった、白地に桜色でバスのアイコンと「TOKYO 2020」と描かれた標識は、その道路がORN・PRNであることを示すもので、一般道では4月からの設置が予定されています。

 加えて、会場周辺ではさまざまな交通対策がおこなわれる予定です。

 クルマの効率的利用や公共交通への利用転換など、ユーザーに行動パターンの変化を促すことによって道路の混雑を和らげる取り組みをTDMといいます。

 東京オリンピック・パラリンピックを契機に、このTDMを推進するプロジェクトとして設置された2020TDM推進プロジェクト運営事務局は、2019年12月に「会場周辺交通対策(2019.12)」を公開しました。

 このなかでは、競技会場など周辺の一般道における交通混雑を緩和するために「進入禁止エリア」、「通行規制エリア」、「迂回エリア」、「専用レーン・優先レーン」という4つの区分を設けて交通対策を実施する予定としています。

 進入禁止エリアは、大会関係者以外の車両や歩行者、自転車の通行を不可とするエリアで、エリアを囲む物理的なフェンスなどが設置されます。

 通行規制エリアは、通過交通を不可とするエリアです。規制標識を設置することで通過交通を制限しますが、エリア内に住む人や業務・施設利用など、エリア内を訪れる必要がある車両については原則通行可となっています。

 迂回エリアは、案内看板や広報などによって、会場直近を通り抜けしようとする車両に迂回を促すエリアです。直近には通行規制エリアや進入禁止エリアがあるため、該当エリアに用事がない場合は、指示に従い迂回したほうがよいでしょう。

 また、専用レーン・優先レーンは道路交通法に基づいて規制されるため、注意が必要です。規制標識等を設置し、大会関係車両の通行帯を指定するものです。

 専用レーンは国立競技場周辺など3区間、計4.3kmに設置が予定されており、桜色の「実線」のラインで区分されます。規制対象期間中は、この専用レーンを一般車両が通行することはできません。

 優先レーンは、大会関係車両が通行していない場合は通行可とするもので、桜色の「破線」のラインで区分されます。辰巳や渋谷など計19.8kmに設置が予定されています。

 大会関係車両以外が通ると交通反則告知書(青切符)を切られるほか、違反点数1点・反則金6000円(普通車)の行政処分を受けるおそれがあります。

※ ※ ※

 さらに、通行以外においても規制がおこなわれます。とくに覚えておきたいのが、時間貸パーキングが予約制になる点です。

 2020年1月28日、大会組織委員会と国土交通省などは、大会期間中に時間貸パーキングを予約車専用にするエリアを公表しました。

 駐車場を探すクルマによる渋滞を抑制するのが目的で、33か所の競技場や選手村周辺にある、約570の時間貸し駐車場2万4000台分が対象となっています。

 導入が予定されている事前予約システムは、会員登録不要で1日1回の終日予約または、午前・午後の時間帯予約を選択できるとしており、決済は都度クレジットカードでおこなうとしています。

 なお、組織委などは観客に対し、観戦の際は公共交通機関で来場するよう呼び掛けています。

 パーキングにおける予約制の導入は、会場周辺の居住者や付近の施設利用者向けとしており、予約のないクルマは迂回を促されることになるので注意しましょう。

【画像】いまから出来る対策は? 東京オリンピック・パラリンピック期間中の注意点をチェック(10枚)

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