ハイパワーでも過激すぎない!? 今や希少な高性能コンパクトカー3選
国内市場で久しぶりに登場した高性能コンパクトカーのトヨタ「GRヤリス」が、大いに話題となっています。一方、かつては高性能コンパクトカーがたくさんありました。そこで、これまでに登場した高性能コンパクトカーのなかから3車種をピックアップして紹介します。
かつて隆盛を誇った高性能コンパクトカーとは!?
2020年1月に発表されたトヨタ「GRヤリス」は、国内メーカーでは久しぶりに登場した高性能コンパクトカーとして、大いに話題となっています。
かつては各メーカーから高性能コンパクトカーが販売されていた時期があり、選択肢も豊富でした。
そこで、かつて存在した高性能コンパクトカーを3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「コルト ラリーアート バージョンR」
かつて販売していた三菱のコンパクトカー「コルト」には、高性能版の「コルト ラリーアート バージョンR」がラインナップされていました。
コルトは2002年に発売された世界戦略車で、1.3リッターから1.5リッターエンジンを搭載する5ドアハッチバックです。
このコルトをベースに、三菱のモータースポーツ活動を担っていた「ラリーアート」の冠したスポーツモデルのコルト ラリーアート バージョンRを、2006年に追加ラインナップしました。
外観は専用デザインの前後バンパーやワイドトレッド化に対応するオーバーフェンダー、リアスポイラーが装着されスポーティに演出
搭載されたエンジンは1.5リッター直列4気筒ターボで、154馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTが設定されていました。
シャシはスポット溶接の増し打ちと補強により、車重の増加を最小限に抑えつつ、ねじり剛性をスタンダードモデルに対して約30%向上させています。
また、足まわりも欧州仕様をベースに日本専用のチューニングを施し、強化スプリングやショックアブソーバーの減衰力を最適化することで、旋回性能と直進安定性を高い次元で両立。
ブレーキはフロント15インチベンチレーテッドディスクブレーキ、リア14インチディスクブレーキの4輪ディスクとすることで、エンジンのパワーアップと足まわりの強化に対応しています。
コルト ラリーアート バージョンRはフルモデルチェンジすることなく2012年に生産を終了。現在は中古車が比較的安価で売買されていますので、ハイパワーなFFコンパクトカーながら手が届きやすいモデルとなっています。
なお、全年式とも4名乗車なので、その点は注意が必要です。
●マツダ「マツダスピード アクセラ」
マツダのコンパクトカー「アクセラ」は、1980年代から1990年代にかけてヒットした「ファミリア」の後継車として、2003年に発売されました。
ボディバリエーションは、5ドアハッチバックの「アクセラスポーツ」と4ドアセダンの「アクセラセダン」があります。
この、初代アクセラにはアクセラスポーツをベースにした高性能版の「マツダスピード アクセラ」がラインナップされていました。
エンジンは2.3リッターの直列4気筒ターボで、燃料噴射は直噴を採用。最高出力は264馬力を発揮し、トランスミッションは6速MTのみと硬派な仕様となっていました。
外観は専用デザインの前後バンパーとリアスポイラーが装着され、さらにフロントフェンダーをベースモデルから20mmワイド化し、18インチタイヤに対応。
内装も専用シートや、赤のステッチをあしらった本革巻ステアリングとシフトブーツ、ブラックのインパネサイドガーニッシュなど、スポーティに演出しています。
また、フロントのマクファーソンストラット式、リアのマルチリンク式サスペンションも、シャシとともに強化され、高い旋回性能を誇りました。
マツダスピードアクセラは264馬力を前輪のみで路面に伝えるFFだったので、かなりのじゃじゃ馬ぶりだったことが想像できます。
2009年には2代目マツダスピード アクセラが発売されましたが、高性能モデルはこの代をもって消滅してしまいました。