昔の刑事ドラマで爆破は当たり前!? 劇中で使われるクルマの正体とは
昔の刑事ドラマでは爆破シーンが多く見られました。その度に、壊れたクルマが勿体ないと思ったものです。最近でも、ドラマや映画で活躍するクルマには、救急車やパトカーなどの緊急車両も登場します。あのようなクルマは、普段どうなっているのでしょうか。
実際の払い下げ車両も存在する「劇用車」とは
ドラマや映画で活躍するクルマには、救急車やパトカーなどの緊急車両も登場します。あのようなクルマは、普段どうなっているのでしょうか。
テレビドラマや映画などで使用されるクルマは「劇用車」と呼ばれる、撮影などのためだけに用意された特別なクルマです。
2006年7月11日に発出された、警察庁の施策を示す通達の警察庁丁規発第50号「劇用車を使用するロケーションに伴う道路使用許可の留意事項等について」では、劇用車について「道路運送車両法第4条の規定による自動車登録ファイルへの登録を受けていない自動車等であって劇中において使用するためのものをいう」と記載されています。
自動車登録されていないということは、ナンバーが交付されていないため、私有地や許可を受けた敷地でのみ走行が許されたクルマです。
劇用車は、テレビや映画の制作会社が保有していることは少なく、多くは劇用車専門のレンタル業者からレンタルします。
たとえば医療モノの映画やドラマでは救急車が登場し、内装まで本物そっくりの車内で緊迫感あふれるシーンが撮影されていますが、これらの車両はどのように調達するのでしょうか。
劇用車レンタルを手掛ける業者は、次のように話します。
「救急車や消防車は、払い下げの車両を買い付けるなどで調達します。車内の設備も、一部は現役運用されていた当時のものがそのまま使われています」
救急車や消防車は個人での購入も可能なため、劇用車レンタル業者によっては新車で購入することもあるようですが、改造費を含めるととても高価であることから、実際に現場で使用されていた車両の払い下げを購入することが多いようです。
一方、パトカーについては払い下げが禁止されていますが、こちらはどのように調達するのでしょうか。
「パトカーは、市販のクルマを塗るだけです。回転灯も取り扱い業者から調達して取り付けますが、サイレンについては搭載していません。劇中のサイレンの音は、編集時に加えられたものです」(前出のレンタル業者)
刑事モノなどに使用されるパトカーは、トヨタ「クラウン」やスバル「レガシィ」が多く、現行型よりも古い車種が使われているようです。
その理由は、ベース車両となるクルマがパトカー専用グレードに近いタクシーや教習車などの払い下げの中古車を購入しているためといわれています。
緊急自動車のほかには、護送車、霊柩車、白バイ、リムジンなど、個人では所有していないようなクルマもレンタルすることができます。
なお、バスやタクシーなどは、実在するバス会社やタクシー会社の協力で撮影することがあるようですが、長時間・長期間の撮影の場合はレンタルすることが多いようです。
また、レンタル業者によってパトカーの種類が豊富な場合や、旧車に強い、または「品川」など人気地区のナンバープレートの車両が多かったりと、得意分野もあるようです。
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