昔の刑事ドラマで爆破は当たり前!? 劇中で使われるクルマの正体とは
劇用車は個人でも借りられるのか?
劇用車専門のレンタル業者は、最新の高級車から旧車まで、多種多様なクルマを手配してくれます。
自社在庫がなく手に入りにくいクルマも、納車までは時間を要することはあるようですが、さまざまなネットワークから入手することが可能なようです。手配できない車両はないのでしょうか。
前出のレンタル業者は、次のように話します。
「まれに戦車の取り扱いはあるかとのお問い合わせをいただくことがあります。国内でも個人で所有されている人がいるようなのですが、当社では手配しておりません」
戦車は海外で販売しているところもあるようですが、国内に持ち込むにあたっては解体する必要があるほか、組み立てする場合にも砲を使えなくする必要もあり、さらには公道を走行する許可を取るのが難しいこともあって、取り扱いは難しいようです。
なお、いわゆる軍用車などについては、海外から買い付けたこともあるそうです。
そんな劇用車を利用するのは、映像制作会社や法人のイベント主催者などですが、 どのようにして車両を選定するのでしょうか。
「以前は、作品の脚本や絵コンテなどから、劇中の時代背景などを考慮して当社で適切な車両を提案するということもありました。
しかし、インターネットが普及した現在は、制作側が時代背景や欲しいクルマを調べられるようになったこともあって、場合によっては監督から特定の車種をご指定いただくこともあります」
インターネットの普及によって、劇用車レンタル業の仕事内容も変わったようです。車種とレンタル日が決まったら、事前予約をしておくことで、使用場所まで配送してくれます。
料金はクルマによってさまざまですが、パトカー1台に制服1着、タクシー1台に運転手1人などの付随サービスもあるようです。
レンタルした劇用車を公道で走らせ撮影するには公道の使用許可が必要ですが、最近は公道での撮影規制が厳しくなっており、架空のナンバープレートを装着して公道を走行する許可は取りにくくなったようです。
これは一般人が撮影と気付かずに、劇用車を本物と勘違いしてしまうといったケースがあったためといわれています。
公道で架空のナンバーを使用する場合は、実際に存在しない数字であるということの許可を得たうえで、撮影場所に関係者以外が立ち入りができないように封鎖しなければなりません。
そのため昨今では、塗装が不要な劇用車などについてはレンタカーナンバーのまま撮影することも珍しくなく、覆面パトカーなのにレンタカー区分の「わ」ナンバーといった、不思議な光景も見受けられるようになりました。
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また、最近のドラマや映画に使用されるクルマでは、自動車メーカーのエンブレムが加工されているといいます。
これはドラマや映画の協賛スポンサーが関係している場合が多く、映像のなかで他メーカーのクルマを使用したり、事件や事故のシーンでメーカーのイメージが悪くならないようにといった配慮があるそうです。
また、昔のようにクルマが爆発するシーンも、規制やコンプライアンスによって見る機会が少なくなってきました。これからの時代は、自主規制の少ない動画配信サービスなどで、爆発する劇用車が登場してくるかも知れません。
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