ホンダ「シビック」存続危機? 49年目の新型モデルが担う役目とは

新型「シビック」じつはスポーツカー? ロングセラーモデルが持つ現在の魅力とは

 別のホンダ販売店スタッフにも話を聞くと、シビックについて次のように話します。

東京オートサロン2020で公開された新型「シビックタイプR」
東京オートサロン2020で公開された新型「シビックタイプR」

「弊社には、シビックより車格が若干上のハイブリッドセダンとして『インサイト』が存在します。インサイトは、実燃費で20km/Lを超えるほどで、街乗りなどの普段使いが中心で距離もそこそこ走る、という人にインサイトはおすすめです。

 一方、シビックは運転を楽しむクルマとしての性格が強いです。ハンドリングもスポーティに感じますし、ついアクセルを踏み込みたくなるような味付けになっています。

 ユーザーからは『つい積極的な走りをした結果、(カタログ燃費がWLTCモードで16.4km/Lであるにも関わらず)実燃費が10km/Lくらいになってしまった』という声も一部から聞かれます」

※ ※ ※

 現行シビックの特徴のひとつに、単一のグレード設定しかない点があります。車両価格(消費税込、以下同様)はハッチバックで294万8000円、セダンで276万1000円と、200万円台前半からラインナップがある他社の競合車と比べるとやや割高です。

 その分装備は充実しており、アルミホイールやLEDヘッドライト/フォグライト、本革巻きステアリングホイール、シートヒーターが標準で装着されるほか、ミリ波レーダーや単眼カメラを用いた安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備します。

 車両価格が競合するモデルと比べて割高に見えてしまうものの、充実した装備が魅力といえるでしょう。

 なお、シビックのフラッグシップモデルとなるシビックタイプRは今回のマイナーチェンジでは登場しませんでしたが、2020年夏に発売予定と予告されています。

 現時点では詳細なスペックは発表されていないものの、東京オートサロン2020でサプライズ展示された車両を見ると、フロントウインドウのセンサーやステアリングスイッチの配置などから、ホンダセンシングが新たに装備される、と予想されています。

 ホンダは、シビックタイプRの改良モデルについて「サーキットにおける走りの限界性能を高めるために、エンジンの冷却性能と、ブレーキ性能を向上させ、クルマの『走る・曲がる・止まる』を中心にアップデートをおこないました」と、コメントしています。

 2022年に発売から50周年を迎えるロングセラーモデルという立ち位置と、使い勝手の良さも兼ね備えたスポーティモデルという立ち位置を担うシビックが、これからどのような歴史を積み重ねていくのか注目です。

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Writer: くるまのニュース編集部

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