トヨタ新型「ライズ」の実燃費を徹底調査! 激売れコンパクトSUVの実力は?

一般道で停止したときのアイドリングストップにクセがある?

●ワインディング路

走行距離:43.1km
実燃費:19.0km/L

 ワインディング路は、小田原西インターを降りてターンパイクを駆け上り、箱根新道を経由して一気に下るというコースです。季節的に雪が気になるルートですが、テスト当日は箱根でも8℃程度と比較的暖かな陽気となりました。

トヨタ新型「ライズ」
トヨタ新型「ライズ」

 比較的急な上り坂も走ることになるルートでしたが、ここでもパワー不足を感じることはほとんどなく、よほどの急加速を求めない限りはエンジンが唸りを上げることもありませんでした。

 また、新開発のDNGAプラットフォームの恩恵か、クロスオーバーSUVながらハンドリングも気持ちよく、これが200万円前後で買えるのなら非常にいい買い物をしたと満足感を味わうことができそうです。

 燃費は19.0km/Lと、ターンパイクを延々と上ったにしては好成績。ライズはモーターアシストなどがない分、シーンによっての燃費のばらつきも小さいのかもしれません。

●一般道

走行距離:66.8km
実燃費:20.2km/L

 一般道は、国道134号から国道246号を経由して都内にまで戻ります。平日ながら交通量の多いルートで、アイドリングストップ機能が大活躍するシーンなのですが、ここで少し問題が発生しました。

 ライズのアイドリングストップは、信号待ちなどで車両が完全にストップする前にエンジンを先行して停止するタイプなのですが、エンジンが停止するとブレーキの踏力を一定にしているにもかかわらず減速力が強まってしまうのです。

 おそらくエンジンが停止して駆動力がなくなるため、相対的に減速力が強まるのでしょうが、これに合わせてブレーキの踏力を弱めてしまうとエンジンが再始動し、停車後にアイドリングストップをしないということがたびたび見られました。

 ライズ/ロッキーより前の2019年7月にフルモデルチェンジしたダイハツ「タント」では気にならなかったので、ライズ/ロッキー固有のものかもしれませんが、このために満足なアイドリングストップができず、燃費は20.2km/Lに留まっています。

※ ※ ※

 登場後すぐに大ヒットモデルとなったライズは、この価格でこの内容のクルマであれば、売れないわけがないというのが正直な感想でした。

 1リッターターボエンジンも、大人フル乗車でもしない限りは過不足のないパワーを持ち合わせていますし、新プラットフォームのDNGAのおかげで乗り味も非常に秀逸なものです。

 アイドリングストップの制御に気になる点はありましたが、逆にいえば気になるのはその程度で、あとは上級グレードを選ばないと追従型クルーズコントロールが装着されないことや、タイヤサイズが特殊でスタッドレスタイヤの選択肢が少なそうといった些細なものくらい。

 ライズの価格は167万9000円から228万2200円で、スライドドアを持つ軽ハイトワゴンと同じくらいです。子どもがある程度大きくなったファミリー層の買い替え需要にもピタリとハマるだろうという点でも、この人気はまだまだ続きそうです。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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