なぜ販売にGOが出た!? 個性派デザインが不評だった車3選
クルマのセールスを左右する重要な要素のひとつが外観のデザインです。そのため各メーカーは、いかに優秀なデザインのクルマをつくるか切磋琢磨しています。しかし、かつて販売されたクルマのなかには、デザインがユーザーに受け入れられなかったモデルがありました。そんな悲しい過去を持つ3車種をピックアップして紹介します。
よくぞ作った! 残念なデザインのクルマたち
新型車やフルモデルチェンジしたクルマが、ヒットする重要な要素のひとつが外観のデザインです。そのため、各メーカーは優秀なデザイナーを雇い、日々新たなデザインを模索しています。
しかし、そうしてデザインされたクルマが必ずしも売れるわけではなく、なかには不評だったクルマもあります。
そこで、デザインがユーザーに受け入れられなかったクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「レパードJフェリー」
日産「レパード」は、初代が2ドアと4ドアのスペシャリティカーとして1980年に発売されました。2代目は刑事ドラマでもおなじみの2ドアクーペとなり、1986年に発売され人気を博します。
そして、1992年にフルモデルチェンジして、3代目となる「レパードJフェリー」を発売。
レパードJフェリーは4ドアセダンとなり、北米の高級車ブランド「インフィニティ」から販売された「J30」の国内向けという位置づけでした。
上級グレードには4.1リッターV型8気筒エンジンが搭載されるなど、先代のハイソカーから高級車路線にシフトします。
外観は全体的に曲線を多用した形状で、特徴的なポイントはトランクがリアにかけて下がる、いわゆる「尻下がり」のデザインだったことです。
この尻下がりはアメリカでは昔から高級車に採用されていましたが、日本では受け入れられず、さらに丸みをおびたデザインは高級車として押し出しの強さが足りなかったことや、バブルが弾けた後だったことも販売不振の原因となりました。
1996年に発売された4代目レパードは「セドリック/グロリア」のコンポーネントをベースとした、比較的オーソドックスなデザインのセダンになりましたが、それでも販売台数は好転せず、1999年に販売を終了。後継車はありませんでした。
●ホンダ「エレメント」
ホンダ「エレメント」はアメリカで「ジェネレーションY」と呼ばれる、1980年代から1990年代に生まれた若者をターゲットに、2002年に発売されたSUVです。
開発、デザイン、生産のすべてがアメリカでおこなわれ、日本では2003年から輸入車として販売が開始されました。
デザインの特徴はボディを一周するように配置された樹脂パネルで、色分けされた2トーンの外観がアクセントになっています。また、ドアはフロントが前側に、リアが後側に開く「観音開き」のヒンジドアとなっていて、センターピラーが無い構造です。
テールゲートは上下に開き、下側のゲートはそのままベンチとして使用可能でした。ちなみに、アメリカではテールゲートに腰掛けて仲間とワイワイ過ごすことを、「テールゲート・パーティ」と呼びます。
若者をターゲットとしたデザインや仕様は、アメリカでは受け入れられてヒットしましたが、日本では安っぽく見えるという意見が多く、販売は振るわず、発売から2年ほどで販売を終了します。
なお、アメリカでは2009年にビッグマイナーチェンジがおこなわれ、2011年まで販売されましたが、後継車は登場しませんでした。