冬用タイヤ規制もOK!? SUV用「マッド&スノー」タイヤの実力とは

降雪地で実施されることのある「冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制」。スタッドレスタイヤを装着していなければならないイメージですが、じつはそれ以外のタイヤでもある条件を満たしていれば通行可能だといいます。しかし、通行可能でも雪道を過信して走行するのは禁物なようです。なぜなのでしょうか。

冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制をクリア出来るタイヤとは?

 冬場に降雪地に向かうと、高速道路で「冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制」が実施されていることがあります。

 この規制が実施されている場合は、スタッドレスなどの冬用タイヤもしくは、タイヤチェーンを装着していないと通行することができません。ところが、クルマに最初から装着しているタイヤでもOKな場合があります。

高速道路のSA/PAでは、「冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制」が実施されることがある
高速道路のSA/PAでは、「冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制」が実施されることがある

 これはSUV用タイヤに多い「マッド&スノー」タイヤというものです。タイヤのサイドウォール(トレッド面とホイールリムの間の部分)に、メーカー名やモデル名、サイズなどが刻印されていますが、小さく「M+S(M.SやM/Sとも)」と書かれているタイヤがマッド&スノータイヤです。

 マッド&スノータイヤは、その名の通り、泥と雪の性能を持っています。昨今のSUVは高速性能が重視され、昔の四駆のようにゴツゴツしたトレッドパターンのタイヤを履くことが少なくなってきており、一見すると、セダンやミニバンなどのタイヤと変わらないトレッドパターンのタイヤが多くなっています。

 こうしたタイヤは一般的には舗装路での性能をメインにしているものですが、そもそもSUVというカテゴリー自体が未舗装路や雪道での性能を期待して乗っている人が少なくありません。そこで、そうしたニーズに応えるべく、標準タイヤにマルチパーパス(多目的)なマッド&スノータイヤを装着している車種が多いのです。

 M+S表記のあるタイヤは多種多様で、高速走行性能を重視したH/T(ハイウェイテレーン)系タイヤから、オフロード走行を重視したM/T(マッドテレーン)系タイヤまでいろいろラインナップされていおり、この表記があるタイヤは、夏用タイヤに比べて雪を掴みやすいトレッドパターンが採用されています。

 では、マッド&スノータイヤで冬用タイヤ規制をクリアできるのかについて、高速道路を管理するNEXCO中日本からは、「M+Sなどの表記があるスノータイヤであれば、冬用タイヤとして通行が認められます。ただ、全輪に装着することが必要となります」との回答がありました。

 管理会社と協議をして規制を出す、警察の見解はどうなのでしょうか。関越自動車道の土樽PAで、規制時に冬用タイヤの装着をチェックしている新潟県警湯沢分駐署の警察官は、次のように話します。

「M+SとかM.Sなど書かれたマッド&スノータイヤは、規制時にはスタッドレスタイヤと同じ扱いとなっています。しかし、スタッドレスタイヤには性能面でかなわないため、走行速度を控えめにしたうえで、十分に注意をはらって安全運転をしていただきたいと思います」

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 このように、冬用タイヤ(滑り止め装置装着)規制の場合、スタッドレスタイヤを装着していなくても、通行は可能なようです。

【画像】冬用タイヤどこで見分けるの?

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