充電渋滞は年末年始に増加する? 近年問題化する充電マナーの良し悪しとは

サービスエリアでの充電渋滞はどう避けたらよい?

 500km以上の遠距離移動を何度か経験しているEVオーナーに、高速道路SA/PAの充電渋滞について対策方法を聞いてみました。答えてくれたのは、日本EVクラブ広島支部代表の藤井智康さんです。

 藤井さんは10年前にDMCデロリアンをEV化して、現在は急速充電に対応したシステムにアップデートしています。

 充電渋滞を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。藤井さんは次のようにいいます。

三原市の道の駅「神明の里」にて。一般道沿いの急速充電器を上手に使うと、充電待ちを避けられる可能性も。
三原市の道の駅「神明の里」にて。一般道沿いの急速充電器を上手に使うと、充電待ちを避けられる可能性も。

「高速道路のSA/PAでは、ほとんどの場合、充電器は各所に1基ずつしかないので、EV/PHEVが重なると充電渋滞が起きます。

 休日に長距離移動する場合は、同じ方向に向かっている別のEVと常にバッティングする、ということも起こりやすくなります。

 スマホのアプリで『高速充電ナビ』というのがあり、これを使うと高速SA/PAの充電器が現在、使用中か空いているか、何時頃充電を始めたかなどがわかるようになっています。

 ただし、終わるころを見計らって到着してもタッチの差で前の人が充電を始めていた、ということも良くあります。それだけEVが増え、長距離移動をする人が増えてきた証拠です。

 オススメなのは早めの充電です。バッティングしてしまっても、パスして次の充電ポイントまで行けるぐらいの余裕を持って充電するように心掛けると、うまくやりこなせると思います。

 また、GWやお盆、年末年始などの時期であまりにもバッティングが多い場合は、高速道を一旦降りて、一般道にある充電ポイントを使うという手もあります。

 全国20か所のIC限定ですが、ETC2.0+道の駅利用+1時間以内に戻ることを条件に、高速を降りて再度乗る場合でも継続して高速を走ったことになる『賢い料金』の社会実験も始まっています」

 次に、最近問題となっている充電時のマナーについても聞いてみました。

「80%を超えると充電速度がガクッと落ちます。待っている人がいる場合は、80%で切り上げてほしいですね。

 また、80%で切り上げて次の充電ポイントに向かった方が、実はお得でもあるのです。というのも、私が使っている充電サービスでは、充電できる電力量と時間を考えたら、80%を超えて充電し続けるのは完全に損といえるでしょう。

 リチウム電池の劣化にも関係しますので、急速充電は80%で止めるのが正解です。

あと充電が終わっても、なかなか戻って来ない人がいます。あれは本当に困ります。充電終了しても明らかに長時間駐車したままになっている場合は、コードを抜いて次のクルマが充電を始めても許容するというルールができたらいいと思っています。

 知人のEVオーナーさんのなかには、高速道での充電待ちを考えたら、最初から一般道を走り、街中の充電器を上手に使った方が場所によっては高速利用と変わらない時間で目的地に到着できるんじゃないか、といっている人もいます」(藤井さん)

※ ※ ※

 年末年始などの長期休暇は、充電渋滞が各所で発生する機会も多くなりそうです。リアルタイムで利用状況が分かるスマホナビの利用はもちろん、マナーとルールを守って充電したいものです。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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