充電渋滞は年末年始に増加する? 近年問題化する充電マナーの良し悪しとは
お正月の帰省や旅行で長距離を走る際、事前にしっかり充電をしてきたEVでも途中のSA/PAで急速充電をしながら移動するケースが増えています。近年はEVやPHEVが増えてきたこともあり、長距離移動の多い時期は過酷な「充電渋滞」が発生することもしばしば起こるようです。充電渋滞の現状と対応策とはどのようなものなのでしょうか。
EV/PHEVが増えると充電器が足りなくなる!?
年末年始の帰省や旅行などで長距離を走る際、電気自動車(EV)は途中で急速充電を繰り返しながら移動することになります。
最近はEVだけでなく、プラグインハイブリッド(PHEV)も増えてきたこともあり、充電渋滞が発生することがあるようです。
2018年末で日本には約23万6000台のEV、PHEVが保有されています。これに2019年の販売分(1月から11月)を合計すると、2019年12月現在では少なくとも27万台前後のEV、PHEVが保有されていることになります。
近年は従来からある自動車ディーラーや高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA/PA)に加えて、コンビニやショッピングモールにも充電設備が設置される動きが進んでいますが、日本にはいまどれくらいの充電設備があるのでしょうか。
国交省、経産省が公表した資料によると公共充電器の数は2012年から少しずつ増え始め、2016年には2015年までの設置のおよそ2.2倍に急増しました。2016年以降は緩やかに増えており、2019年には3万基を突破しています。
日本には約3万基の公共充電器がありますが、そのうち74%が普通充電器です。高速道路での移動や長距離ドライブに欠かせない急速充電器は1/4程度にとどまっています。
また、充電器1基あたりのEV/PHEV台数を諸外国と比べてみると、日本は7台となっています。特別に悪条件とはいえませんが、日本と公共充電器数が近いオランダは充電器3.3万基に対して4台、ドイツは同じく2.4万基に対して5台となっており、これらと比べると、かなり少ないといえるでしょう。
高速道路SA/PAの急速充電器は、お正月休みのドライブ旅行や実家への帰省など、EVで長距離移動する人には欠かせない存在です。
しかしSA/PAにおける急速充電器の設置数はひとつのSA/PAに対して1基がほとんどで、NEXCO中日本管内では、海老名や足柄、岡崎、談合坂など規模の大きなSA/PAでも上下線それぞれ2基ずつしかありません。
高速道路のSA/PAで充電渋滞に遭遇すると、1台待ちなら最大30分、2台待ちなら1時間程度は待たなくてはなりません。充電するEV専用の場所にガソリン車が駐まっていることもあり、EVオーナーのストレスは増加します。
EV充電に関するさまざまな情報を発信している「GOGO EV」がおこなったアンケートでも、その結果は明らかです。
「充電スタンドで待つこと、もしくは充電出来ないことが多いと感じる充電スタンドはどこですか」という質問では、以下のような回答となりました。
・高速道路:52%
・ショッピングモール:43%
・ディーラー:34%
・道の駅:21%
・コンビニ:8%
・レジャー施設:5%
・宿泊施設:5%
・駅、空港:1%
・そのほか:9%
高速道路で充電待ちが多いと思う人が過半数と、ダントツで多くなっています。
高速道路は後戻りもできませんし、途中で電欠になっても困ります。次のSA/PAまで電池が持たないとなれば、待つしかありません。また、充電器のメンテナンスで使えないことも結構あるようです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。