なぜマツダしか成功しなかった?究極のエンジンといわれる「スカイアクティブX」とは

マツダは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良い部分を両立させた世界初のSPCCI燃焼を採用した「スカイアクティブX」搭載車を2019年12月5日に発売します。ガソリン車とディーゼル車のイイとこ取りのエンジンとはどのようなもので、なぜマツダが完成させることができたのでしょうか。

夢のエンジン? マツダ「スカイアクティブX」とは

 マツダは、新型「マツダ3」に世界初の技術「SPCCI燃焼」を採用したスカイアクティブXを搭載するグレードを、2019年12月5日に発売します。

 以前からスカイアクティブXは、ガソリン車とディーゼル車の良い部分を合わせ持つ夢のエンジンといわれていましたが、なぜマツダが完成させることができたのでしょうか。

エンジンカバーに付けられた「スカイアクティブX」のエンブレム
エンジンカバーに付けられた「スカイアクティブX」のエンブレム

 現在、市販されているクルマには、ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車(ガソリンエンジン+モーター)、電気自動車と大きく分けることができます。

 それぞれ、メリット・デメリットを持ち合わせています。そんななか、おおまかにはガソリン車に分類されるものの、マツダが新しく設定したスカイアクティブXは、世界初の燃焼方式を採用したまったく新しいエンジンです。

 具体的には、ガソリンエンジンの歴史において長年課題とされていた、圧縮着火をコントロールする技術を実現し、内燃機関に求められる性能を飛躍的に向上させています。

 これによって、ガソリンエンジンの伸び感や排気浄化性などの優れた部分と、ディーゼルエンジンの初期レスポンスの良さや燃費の良さを合わせた理想的なエンジン(スカイアクティブX)が完成しました。

 理想のエンジンといわれるこの技術は、ほかの自動車メーカーの開発に挑んだものの、断念したといいます。なぜ、その技術をマツダが完成させることができたのでしょうか。

 マツダのエンジン性能開発部・高松氏は、次のように話します。

「マツダには、世界一の高圧縮比ガソリンエンジンで異常燃焼などの限界を知ったエンジニアと、世界一の低圧縮比ディーゼルエンジンで燃料と気体の混ぜ方によって着火の限界を知ったエンジニアの両方がいる会社だから挑戦できた技術だといえます」

※ ※ ※

 スカイアクティブXのベースは、2リッター直列4気筒エンジンです。これに「Mハイブリット」という24Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせています。

 最高出力は180馬力(モーター:6.5馬力)、最大トルクは22.6kgfm(モーター:6.2kgfm)となり、燃料はハイオク(無鉛プレミアムガソリン)です。

 マツダ3(ハッチバック)のスカイアクティブX搭載車のカタログ燃費(WLTCモード)は、16.2km/Lから17.8km/Lです。
 
 同じマツダ3の2リッターガソリン車が15.6km/Lとなり、1.8リッターディーゼル車は18.8km/Lから19.8/Lとなっています。

 マツダが公表した実測燃費では、ワインディングから街中という走行ルートにて、同じハッチバック車(2リッター/AT/2WD)という条件で比較したところ、ガソリン車は15.1km/Lを記録。対するスカイアクティブX搭載車が18.2km/Lとなり、約21%の差があったようです。

 なお、マツダ3(ハッチバック/セダン)のそれぞれの価格(消費税込/特別仕様除く)は、ガソリン車が222万1389円から269万8055円、ディーゼル車は279万741円から320万9555円、そしてスカイアクティブX搭載車が319万8148円から361万6963円となります。

 近年のマツダは、ディーゼルエンジンの特性が上手く時代とマッチしたこともあり、国産車において「ディーゼル車=マツダ」というイメージを抱く人もいるといいます。

 そんななか、新たに登場したスカイアクティブXは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良い部分を上手くアピールして、「マツダ=スカイアクティブX」というイメージが定着できるのか、注目したいところです。

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1件のコメント

  1. MAZDAの凄いところはいすゞOEMタイタン以前のオリジナルのタイタンでもいすゞ製のディーゼルを使い分けるなど他社の優位を紳士に受け止められる強かさだろね。
    ベンツが初代セルシオを買い入れて自社製品の方向性を変えてしまった流れとは全く別物で誰が為の開発かをMAZDAは分かってるんだろうね。

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