燃料電池車が宇宙へ進出! 水素を燃料とした電気自動車とは

燃料電池技術の進化により近年注目を浴びている燃料電池車は、市販化されたことで身近な存在になりつつあります。そんな燃料電池車が、次は宇宙で活躍するようです。

燃料電池車ってどんなクルマ?

 燃料電池自動車は「Fuel Cell Vehicle」の頭文字から通称FCVとも呼ばれており、燃料電池を利用して走るクルマで、排出ガスゼロという夢のような技術が採用されています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタの共同研究により、開発される予定の燃料電池車の技術を用いた月面モビリティー「有人与圧ローバ」のイメージ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタの共同研究により、開発される予定の燃料電池車の技術を用いた月面モビリティー「有人与圧ローバ」のイメージ

 クルマに使用できる燃料電池の種類には、水素、メタノール、エタノールなどが挙げられますが、そのなかで現在市販化されているクルマも含め、これから普及すると予測されているのは水素燃料です。

 一方で水素燃料は、エネルギーを取り出したあと排出されるのは水のみであるため、環境にもっとも優しい燃料とされているものの、精製方法や貯蔵方法、インフラ設備問題など、多くの課題が残されています。

 また、燃料電池車は電気自動車と同じくモーターを駆動させて走行するのですが、クルマに備わっている燃料電池内で水素と酸素を化学反応させ、そこで発電した電気を電気エネルギーとして使用。一般的な電気自動車は外部電源から充電することで走行が可能となりますが、燃料電池車は水素などの燃料をタンクに補給することで、クルマ単体で連続して発電し、走行することができるのです。

 そのため、一般的な乗用車はもちろん、大型バスや、工場・倉庫内で使用されるフォークリフトなどにも水素を使用した燃料電池技術が試験的に応用され、本格的な導入も検討されています。

 そんな燃料電池車の技術の実用化が検討されているのは、地上だけにとどまりません。2019年7月16日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタの共同研究により、燃料電池車の技術を用いた月面モビリティ「有人与圧ローバ」を開発することが発表され、早くも宇宙で活躍することが決定しました。

 3年間の共同研究協定計画では、2019年に月面走行に向けた試作車の開発が始まり、2020年に試作車の製作を開始。そして2021年に、試作車を用いた実験・評価がおこなわれる予定です。

 宇宙で水素を用いた燃料電池技術が採用されるのは、酸素のない月ではガソリンを燃やせないということもありますが、リチウムイオン電池に比べて軽いことや、発電で発生する水を冷却水や飲料水に活用できることが大きな理由です。

宇宙での活躍が期待される燃料電池車を画像でチェック!(14枚)

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