燃料電池車が宇宙へ進出! 水素を燃料とした電気自動車とは
燃料電池のメリット・デメリット
燃料電池車のメリットは、数多くあります。
走行時に排出されるのは水蒸気のみで、ガソリン車やディーゼル車のようなCO2、NOx、HC、CO、PMなどの物質は排出されません。エネルギー効率もガソリン車の2倍近くと高く、低出力域であっても高効率を維持することが可能です。
また、燃料電池車で使用される電気は化学反応により生成されるため、内燃機関のような騒音もありません。ガソリン車と同様にステーションで水素を充填できるため、電気自動車のような長時間の充電の必要もなく、連続して走行もできます。
ほかにも、石油が枯渇するとガソリンや軽油の確保は難しくなりますが、効率の問題はあるものの、水素は水からも作り出すことが可能です。
そしてデメリットは、大きく分けてふたつあります。
ひとつ目は、水素は非常に危険な物質のため保管・輸送が難しいことです。空気中の水素濃度が4%から75%の範囲内で着火源があると水素爆発を起こす恐れがあるため、取り扱いには徹底した安全管理が必要となり、安全管理には高いコストがかかります。
ふたつ目は、燃料電池車の製造にコストがかかることです。燃料電池には高価なレアメタルが必要なため、通常の燃料自動車よりも高価なクルマとなってしまいます。
生産方法や代替材料の発展で大量生産できるようになり、ひと昔前に比べると価格を抑えやすくはなったものの、一般に普及するレベルとなるまでにはまだ改良が必要です。
しかし、そんなデメリットがあっても、製造して改良し続けなければ発展や普及はありません。そのため現時点で国内では2車種のみですが、市販化された燃料電池車があります。
●トヨタ「ミライ」
2014年12月に販売されたミライは4人乗りの4ドアセダンで、1回の水素充填で650kmの走行が可能です。
搭載された駆動用バッテリーはスタート時のアシストで使用し、減速時の回生エネルギーで充電するシステムを採用しています。
シンプルかつ近未来的なエクステリアと高級セダンの様なインテリアを持ち、燃料電池車ならではの静かさとパワフルな加速が特徴です。
価格(消費税込、以下同様)は740万9600円からとなっていますが、残価設定ローンや各種補助金を加味すると、手が届きやすい燃料電池車といえるでしょう。
また、2019年の東京モーターショーでは次期型となる「ミライ コンセプト」が公開されており、2020年末の発売が見込まれています。
●ホンダ「クラリティ FUEL CELL」
2016年3月にリース販売されたクラリティFUEL CELLは5人乗りの4ドアセダンで、1回の水素充填で750kmの走行が可能です。
燃料電池パワートレーンをボンネット内へ搭載することで、広い室内空間を実現しています。
先進安全技術ホンダセンシングにより安全で快適な運転を支援し、最高出力130kWの高出力モーターで発進から最高速度までなめらかで力強い加速が魅力で、価格は781万4400円からとなっています。
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全国的に水素ステーションの設置が広がっており、都心部では燃料電池車を見かける機会も増えてきました。
一般に普及するにはまだまだ多くの課題がありますが、これからの時代に求められるのは、環境に配慮したクリーンなクルマであることは間違いないでしょう。
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