高コスパ? 性能は値段なり? 数万円差が出るアジアンタイヤのメリットとデメリットとは

消耗品であるクルマのタイヤ交換は、愛車の維持費のなかでも大きな出費となるもののひとつです。少しでも安く抑えたい、と考えている人もいるのではないでしょうか。そこで、コストパフォーマンスに優れるとされているアジア製タイヤを装着しているユーザーに特徴を聞きました。

装着しても大丈夫? 実際のアジアンタイヤユーザーが感じたこととは

 クルマを維持する上で、必ずやってくる車検。購入したクルマが中古車であれば、購入時のタイヤも中古状態となり、場合によっては車検時に交換する必要が出るのも致し方ないところです。

 タイヤを新品に交換するだけで、見違えるほどシャキッとするケースも多いと聞きますが、しかし、新車に乗っている人も含め、クルマの維持費はできるだけ安く済ませたいのが本音です。

タイヤ交換を安く済ませる方法としてアジアンタイヤは効果的か?
タイヤ交換を安く済ませる方法としてアジアンタイヤは効果的か?

 そんな「賢くコストダウンしたい」クルマ好きの間では、タイヤ交換を安く済ませる方法としてアジア・パシフィック(おもに韓国・台湾・中国)製のタイヤを装着するケースが増えているといいます。

 そこで、東京都・足立区にある自動車販売店「モトーレン足立」の代表を務める中川さんに、アジア製タイヤについて聞くと、次のように説明します。

「国産メーカーや海外一流ブランドのタイヤは性能も良いのですが、値段もそれなりに高価です。そこでクルマの維持費を抑えたい、車検費用を安く抑えたいお客様がアジアンブランドのタイヤを装着するケースも増えています。

 しかも近年は性能が向上してきており、価格差ほど一流ブランドとの性能差がなくなっている印象ですね」

 確かに、韓国のタイヤブランド「ハンコック」や「クムホ」「ネクセン」は、認知度もそれなりにありますし、台湾の「ナンカン」や「ケンダ」などはリーズナブルなタイヤブランドとして、本国では実績と歴史があります。

 それでいて日本での販売価格は、国産や海外の有名ブランドタイヤの約半分程度から2/3程度で、4本合計となるとその価格差は決して無視できないレベルになっているほか、日本のタイヤメーカーが技術提携をしていた歴史を持つアジアのメーカーもあることから、一定の性能は確保できていると評価されています。

 そこで今回は、実際の装着ユーザーにも話を聞いてみました。千葉県にお住いのAさんは、愛車の2003年式ジャガー「XKR」にアジアンタイヤを装着。そのメリット、デメリットなどを教えてくれました。

「車検時にタイヤの溝がなくなって全交換する必要があったのですが、できるだけ安く済ませたかったんです。そこで販売店に相談したところ『アジア製タイヤは適度な性能で値段が安い』と教えてもらい、試しに装着してもらいました」

 装着したタイヤのサイズは245/45R18。国産ブランドですと1本あたり約1.3万円から1.9万円ほど、ハイグリップタイヤなら約2.0万円から3.2万円ほどのお値段に対して、アジアンタイヤは約0.8万円から0.9万円ほど。4本交換になると数万円の差額になります。

「もともとスポーティに走るつもりもなく、グリップ力や耐摩耗性もソコソコでいいと考えていたのですが、想像以上に普通に走ってくれます。まだ装着してから距離を走っていないのですが磨耗具合もまずまずな印象です。

 最先端な感じはしませんがグリップ感もそれなりにあって、市街地はもちろん高速道路もまったく問題なく走れます」

 一流ブランドのタイヤと比較しても遜色ないレベルのタイヤが、安く装着できるのであればメリットは大きそうですね。ではデメリットはあるのでしょうか。

「あくまでイメージなのですが、ウェット性能が若干心配な部分もあります。なので、雨の日はかなり慎重に走るように気をつけています」

※ ※ ※

 クルマのなかでも、タイヤは重要度の高いパーツであるだけに、ついつい一流ブランドのタイヤを選びたくなりますが、アジア製タイヤだって知名度こそ低いものの、性能的な不満を感じないレベルになっているのが実情のようです。

【画像】高コスパなアジアンタイヤの値段とは?(10枚)

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