じつは50年以上の長寿モデルだった!? 意外なロングセラー車3選
長い歴史があるクルマというとトヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」が思い浮かびますが、じつは意外な長寿モデルが存在します。そこで、あまり知られていないもののロングセラーだったクルマを3車種ピックアップして紹介します。
隠れたロングセラーなクルマたち
1907年に国産初のガソリン車が誕生して、112年もの歳月が経ちました。この間に膨大な数のクルマが誕生しましたが、その多くは消えてしまっています。
しかし、同じ車名を守って販売されている長寿なモデルも存在。そこで、あまり知られていないロングセラーなクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「ハイラックス」
トヨタの小型ピックアップトラック「ハイラックス」は1968年に初代が発売されました。当時、トヨタが企画し、日野が開発と生産を担当したといいます。
初代ハイラックスは、小型ピックアップのニーズが高いアメリカ市場でも「トヨタ トラック」という名前で販売されました。アメリカでは後に4WD版が大ヒットし、トヨタのピックアップトラックがアメリカでも認められる存在になります。
ハイラックスは日本でもビジネスカーとしてだけでなく、アメリカと同様にレジャー用途としてヒットします。さらにハイラックスをベースに乗用タイプとした「ハイラックスサーフ」を1983年に発売すると、アウトドブームの後押しもあり、大ヒットを記録。
その後ハイラックスはモデルチェンジを繰り返しますが、2004年に日本での販売を終了。2017年にタイで生産している「ハイラックス」を日本で再販することになり、13年ぶりの復活をはたします。
現行モデルは8代目で、装備によってふたつのグレードとなっていて、上位グレードでは自動ブレーキなどの先進安全装備も採用されています。
なお、2018年12月には50周年記念特別仕様車「Z ブラックラリーエディション」が発売されました。
●三菱「デリカ」
いまから50年ほど前の1968年(昭和43年)、三菱自動車が分社される前の三菱重工業は、小型トラックの初代「デリカ」の販売を開始。
デリカは3人乗りの600kg積で、当時はトラックの需要が高かった背景がありトラックから発売されました。
翌年の1969年にトラックをベースにした1BOXタイプの乗用モデル「デリカコーチ」の販売を開始します。
デリカコーチは9人乗りのワゴンタイプで、発売当時は58馬力を発揮する1.1リッターガソリンエンジンを搭載し、クラス最強を誇っていました。1971年10月に「コルトギャラン」と同じ1.4リッターガソリンエンジンも投入され、より余裕のある走りが可能になります。
デリカコーチが発売されたころはセダン全盛の時代だったため、個人用として使われることは少なく、主に送迎用として活躍したといいます。
その後、デリカシリーズは本格的なオフロード走行が可能な1BOXカーとしての道を歩み、現在の「デリカD:5」へと繋がります。