「レクサス」ブランド登場30年 最新モデルに乗ってわかったレクサスらしいクルマづくりとは
レクサスらしいプレミアム感と、レクサスに足りないプレミアム感とは?
新型RXにも乗りました。1998年登場の初代RXは、じつはプレミアムブランドとして「ラグジュアリーSUV」というカテゴリーを最初につくったモデルです。
今回はボディ剛性を上げるため接着面の距離を伸ばし、スポット溶接の打数を増やすなど、つくり方を変えました。またリアのサブフレームの剛性も上げています。こうした対策はハンドリング性能を向上させるために大きく貢献しますが、乗り心地や快適性を良くするためにも影響を与えます。一般道、高速道路、ワインディングロードを走ってみて、その上質感を味わうとRXが魅力的に感じられるようになりました。
またRXには、夜のドライブが楽しみになる新しいヘッドライトが用意されていました。ブレードスキャンAHS(アダプティブハイビームシステム)です。
ライトに内蔵された高速で回転するミラーを使って、ハイビームにしながらも、先行車や対向車がいるところだけの狭い範囲には配光しないようにするシステムです。このおかげで、先行車や対向車がいても歩行者の存在を早く発見できるようになります。
これは市街地モードは15km/hから30km/h、通常モードは30km/hから80km/h、高速度モードは80km/hから、それぞれで基本配光の幅を変えてあります。このライトシステムは他社の似たシステムよりも、実際の路上で使える範囲が広いようでした。
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最新技術はレクサスから、といわれていますが、このような実用的な技術は役に立つし、楽しい技術がいち早く採用されるのは嬉しいものです。これがプレミアムブランドらしさでもあります。
しかし、まだレクサスに足りないプレミアム感もあります。それはもっと「つくり手」側の主張を盛り込むことだと思います。
レクサスには、どうしてもお客さま目線の考え方がベースにあるように感じられます。ユーザーの期待に沿ったクルマづくりではなく、ユーザーの期待の遥か上を狙ったクルマづくりがブランドを育てていくと思います。
また、いまレクサスというブランドに必要なのは、操作の統一感だと思います。そのひとつはATのセレクターレバーです。今回試乗したLC、RX、LSの3台ともに、それぞれ違う方法でシフト操作をしなくてはいけませんでした。
かなり熟成を重ねてきたレクサスですから、オーナーになって乗ればきっと満足するでしょう。それでもまだまだ伸びしろがあるのも事実です。メイドインジャパンのプレミアムブランドとして、ドイツプレミアムブランドのライバルたちに、もっとインパクトを与えるブランドになってもらいたいです。
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