クラウンじゃ満足できない! イケイケのバブル期に登場した高級サルーン3選

北米の高級車市場に果敢に挑んだモデルも

●三菱「ディアマンテ」(初代・1990年発売)

三菱・初代ディアマンテ
三菱・初代ディアマンテ

 三菱の初代「ディアマンテ」は、三菱初の3ナンバー専用4ドアハードトップサルーンです。

 スペイン語で「ダイヤモンド」の意味を持つ車名であるディアマンテは、その名のとおり三菱(社章は「スリーダイヤ」)を代表する高級サルーンとして登場しました。

 全長4740mm×全幅1775mm×全高1410mmとロー&ワイドなボディで、「小型車の枠を超えたワールドサイズの上級小型車」と謳われたクルマでした。

 このクラスのサルーンは、当時発売されていた80系トヨタ「マークII/クレスタ/チェイサー」も、Y31系日産「セドリック/グロリア」も後輪駆動(FR)でしたが、ディアマンテは前輪駆動(FF)方式を採用、ライバルにない室内のゆとりを生み出しました。

 ディアマンテのヒットを機に、トヨタ「ウィンダム」や日産「セフィーロ」など、FFベースのサルーンが登場します。

 ディアマンテは逆スラントノーズのスタイリッシュな外観も人気でしたが、クラス初のフルタイム4WDシステムや世界初の機能を持ったトラクションコントロールシステム、四輪操舵(4WS)システム、アクティブコントロールサスペンションなど、当時の三菱の技術を余すところなく採用した先進性も人気となった要因でした。

 エンジンは電子制御可変吸気システム付きのV型6気筒で、175馬力を発生する2.5リッターDOHC、210馬力の3リッターDOHC、125馬力の2リッターSOHCの3種類が用意されました。

 発売当時の車両価格は199万8000円から396万6000円。1995年にはフルモデルチェンジされ2代目に進化しましたが、バブル崩壊による景気後退により、販売台数は激減します。2005年には販売終了、ディアマンテの車名は消えてしまいました。

●トヨタ「セルシオ」(初代、1989年発売)

 バブル期の高級サルーンを語る上で、トヨタの初代「セルシオ」の存在もかかせません。

 当時のプレミアムブランド市場は、メルセデス・ベンツやBMWなど、欧州メーカーの独壇場で、日本車はあくまでも大衆車としての立ち位置に過ぎませんでした。

 トヨタは、そんなプレミアムブランド市場に参入するために、アメリカで新たに「レクサス」ブランドを設立します。その最上級モデルとして開発されたのがレクサス「LS400」で、このモデルの日本向け仕様車がトヨタ「セルシオ」です。

 セルシオは、トヨタのフラッグシップとして「ワールドワイドに通用する世界トップレベルのハイパフォーマンス・ラグジュアリーカーの創造」を基本コンセプトとして開発されました。

 LSは、北米マーケットにおいて大ヒット。北米においてレクサスブランドの礎を築きました。高い品質は、その後の世界中の高級車設計にも影響を与えることになり、高級車の新たな標準をつくったとまでいわれました。

 日本においては、最上級グレードの「C Fパッケージ」仕様が620万円と、ドライバーズカーとしては高額なモデルになったのにもかかわらず、こちらもヒットしました。1989−1990年の日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しています。

※ ※ ※

 そのほか、日産「インフィニティQ45」も、北米市場で立ち上げた高級ブランド「インフィニティ」のフラッグシップモデルとして、ブランド立ち上げ当初に発売されたモデルを日本展開したモデルです。

  全長5090mm×全幅1825mm×全高1430mmとフルサイズのボディは、同時期に日本で登場したセルシオよりも全長で約10cmほど大きいモデルでした。

 バブル期には、高級サルーンだけでなく、当時の技術の粋を集めたスポーツカーや高級クーペが登場しています。いまでは考えられないくらい贅沢な素材やメカニズムを搭載したそれら国産モデルは、その後の世界のクルマづくりに影響を与えたものも少なくありません。

 どのモデルもすでに登場から約30年が経っているため、今回紹介した4台も、中古車市場で程度の良いクルマは多くありません。開発者の熱い魂が詰まったこれらの名車を見ると、イケイケだった当時を思い出す人も多いのではないでしょうか。

30年前のバブル期、イケイケだったあの時代に登場した国産高級サルーンを写真で見る(20枚)

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1件のコメント

  1. Y31はマイホームを諦めた層が多いのでは?
    二代目はヒットしなかったのではなく純水に車に投資できる層が浮き彫りになった世代だしエンジンでも差別化をはかってきた。
    このVH41DEは僅か100ccで税制面では不利であるものの100ccと言う排気量差の在り方を実感できるエンジンで先行したQ45のVH45DEどころかトヨタの1UZを何においても凌ぐエンジンで心地良い振動感などは希にみるV8エンジンでしたね。

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