オールシーズンタイヤのドライ・ウェット性能ってどうなの? 実際に試してみた
スタッドレスタイヤにありがちな車体のふらつきは一切ない
こうなると気になるのが操縦安定性。スタッドレスタイヤにもいえることですが、路面のアタリが柔らかいタイヤはふらつきや直進安定性が損なわれがちです。
郊外にある山道を走ってみましたが、まず感じるのは素直なステアリング特性。ステアリングの切りはじめからヨーが自然に追従し、車体が遅れて着いてくるような感覚はありません。
少々速いと感じる速度でコーナーを曲がってみると、グッと粘るような感覚で重い車体がコーナーに沿ってキレイにトレースします。タイヤのたわみによる出口での振り返しや挙動の乱れもなく、雨の日に同じ道を走っても印象が変わることはありませんでした。
軽快というよりは粘りのある手応えなので、決してスポーティではありませんが高い安心を感じることができます。
高速道路では優れた直進安定性を発揮します。スタッドレスタイヤではありがちなステアリングのセンターがあいまいになる感覚はなく、ワインディングで感じた印象と同じように非常にニュートラルな特性で、レーンチェンジでも狙ったラインにピタッと移動することができます。
ここでのロードノイズも非常に少なく、クルマの特性かもしれませんが、風切り音の方が気になるほどでした。荒い路面では「ゴーッ」という音がそれなりに聞こえますが、純正の夏タイヤでも同じ道で聞こえていたので同等と考えて良いでしょう。
ここまでは良い部分を書きましたが、もちろん気になる部分もあります。まずはトレッド面のブロックパターン間隔が広いため、小石が詰まりやすいこと。次に見た目で、夏タイヤよりも少々ゴツい印象になること(人により好き嫌いは分かれると思いますが)。
そして最後に市場での価格が高いことです。同社のスタッドレスタイヤと比べても、市場価格は約1.4倍まで上がります。とはいえ、スタッドレスタイヤと冬用ホイールを用意する必要がなく、保管場所や交換費用も必要ないと考えれば断然リーズナブルではあります。
ですから夏タイヤとオールシーズンタイヤを持つという考え方はせず、あくまでも夏タイヤとの置き換えで、スタッドレスタイヤいらずと考えることです。そうすれば、価格のことも納得できるはずです。
今回オールシーズンタイヤを履いてみた印象は、「確かに夏タイヤの性能と遜色なかった」です。むしろ、秀でた性能の方が多かったように思います。
このタイヤ性能であれば、雪が降っていない時期にずっと使っていてもストレスを感じることはまずないでしょう。タイヤを知らせることなく人に運転させたならば、オールシーズンタイヤだと気付く人はまずいないはず。
それほどに、今のオールシーズンタイヤの性能は上がっていることを今回感じることができました。もう少し長く乗ってみた後、ライフ性能や低燃費性能も検証し、雪が降ったときは雪上性能も試してみたいと思います。
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