SUV風の新型「カローラ」日本導入ある? なんちゃってSUVが増えている理由とは

最近、内外装のデザインをSUVテイストにしているモデルが増えています。しかし、それらの多くは車高はそのままの「なんちゃってSUV」です。約30年前の本格SUVテイストではなく、なぜなんちゃって仕様が増えているのでしょうか。

SUV風ブームが来るか? 新型「カローラトレック」とは

 2019年9月に登場したトヨタの新型「カローラ/カローラツーリング」には、欧州市場向けに「カローラトレック」というSUVテイストのクロスオーバーモデルがラインナップされています。

 また、同年10月にマイナーチェンジするホンダのコンパクトミニバン「フリード」にも、新グレード「クロスター」が設定されるなど、最近の新型車にはSUVテイストのモデルがSUV風の増えています。なぜSUVではなくSUVテイストなのでしょうか。

欧州市場に登場した新型「カローラトレック」
欧州市場に登場した新型「カローラトレック」

 SUVテイストのモデルは古くから存在し、国産車では1980年代後半から標準モデルの1グレードや派生車として設定されていました。

 SUVテイストのモデルは、トヨタ「スプリンターカリブ」や日産「ステージア AR-X」などをはじめ、4WDの設定や車高アップ大径タイヤなど、標準モデルとの違いが大きかったことが特徴です。

 また、トヨタ「アクア」のクロスオーバーのようにグレードのひとつとして設定している場合や、日産「スカイラインクロスオーバー」やミニ「ミニクロスオーバー」といった派生車としてラインナップするなどメーカーや車種によって異なっています(グレードから派生車になるパターンもあり)。

 しかし、最近のモデルはとくに中身や車高はそのままで内外装のデザインをSUVテイストに寄せるケースが多くなっています。

 2019年では、前述のフリードや三菱「ekクロス」といったモデルをはじめ、同年10月4日にはトヨタのコンパクトカー「アクア」「シエンタ」「ポルテ」「スペイド」の4車種にSUVテイストの特別仕様車「グランパー」を設定して発売しています。

 SUVテイストのモデルについて、新型カローラシリーズの開発主査・上田泰史氏は、次のように話します。

「最近は、アウトドアブームの影響もあってクロスオーバーなどのモデルに注目が集まっています。新型カローラには、欧州市場にクロスオーバーの『カローラトレック』という車高を20mm上げたモデルがあり、日本への導入も検討しています」

※ ※ ※

 また、内外装のデザインのみをSUVテイストにする理由について、ホンダの販売店スタッフは次のように話します。

「過去にあったSUVテイストのモデルは、本格的な仕様を好むニーズが高かったことから設定されていたのだと思います。

 しかし、最近のお客さまは普段使いのメリットはそのままに見た目だけオシャレにしたいという声や、流行りのアウトドア感を好む人のニーズが多いことから増えているのだと思います。

 新しいフリードのクロスターグレードを見たお客さまからも、5ナンバーミニバンの使い勝手はそのままで、キャンプやグランピングに似合うデザインが良いと好評です」

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