コンクリブロックまで…年間80万件の道路上落下物 静岡県では故意な「置き石」が問題に
静岡県浜松市で故意的な「置き石」が数多く発見され問題となっていますが、では道路を走行中に落下物を発見した場合、どのように対処すべきなのでしょうか。
落下物が原因の事故やトラブルの刑罰とは
クルマの運転中、目の前に石などの落下物があった場合、当たらないように避けることが大切です。しかし、高速走行や夜間などの視界不良時に衝突した場合、大きな事故やトラブルに繋がる危険性があります。
目の前に落下物があった場合はどのような対処をすれば良いのでしょうか。
2019年9月現在、静岡県浜松市で、故意と思われる置き石事件が立て続けに20件以上発生し、大きな問題となっています。
浜松市では2018年10月以降、何者かによる置き石事件が多発し、現在も続いております。落下物の内容は「建築木材」「コンクリートブロック」「自転車」など大きいものばかりで、どれもクルマが乗り上げてしまえば大事故に繋がる恐れがあり、大変危険です。
故意に置かれたと思われる落下物は深夜から明け方にかけて発見されたものが多く、ドライバーが視認しにくい夜間に集中しています。幸いなことにケガ人は出ていないとのことですが、クルマと衝突するなどの被害は出ており、地元住民は一瞬も気が抜けない状況だといいます。
故意の置き石は、刑法第124条の「往来妨害罪」にあたる行為です。さらに、人が傷害を負った場合は「往来妨害致傷罪」にあたり2年以下の懲役または20万円以下の罰金が科され、人を死亡させた場合は「往来妨害致死罪」にあたり傷害罪などより重い刑罰が課せられます。
国土交通省が集計した落下物処理件数の資料によると、2017年度では高速道路上で約34万件、直轄の国道で約49万件、合わせて約84万件となり、ドライバーの不注意で落下することもあれば、いたずらとして故意におかれているケースもあります。
落下物の種類は多岐に渡ります。多い順では「プラスチック・布・ビニール類」が約11万件、「ロードキル(動物の轢死)」が約4万7000件、「タイヤを含む自動車部品類と金属類」が約4万件、「木材類」が約3万9000件となっています。小さいものから大きいものまでありますが、高速走行時の落下物はどれも凶器となり得る危険な存在です。
高速道路上の落下物の対処について、NEXCO東日本は次のように話します。
「まず、落下しないように、という点を注意喚起しております。積載物のチェックについては、出発前だけでなく、途中のサービスエリアでも再点検を心がけてください。
また、落下物で多いのは積載物だけでなく、自動車部品類も多くあります。一般のドライバーも含め、タイヤや付属品など、クルマの点検もしっかりおこなうようにしましょう。
なお、落下物の報告を受けた場合は、各電光表示板でも注意喚起をしております。高速道路の情報収集手段として、表示板への意識も心がけてください」
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2018年には、岡山県津山市の中国自動車道で、落ちていたスペアタイヤが原因となり親子2人が死亡した事故が発生しています。
落下物の責任については、道路交通法第75条の10で「自動車の運転者は、(中略)積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない」と記載されており、基本的に落とし主の責任です。
大前提としては「落とさないこと」が重要で、積載物はしっかりと固定し、厳重な管理を心がけましょう。
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