車の「ボンネット」どうやって閉める? 「バタンと一発!」「体重かけてじっくり」「そっと手を引きジェントルに…」 人の“性格”滲み出る所作に正解はあるのか

遠方でクルマが故障した場合は、どうすればいいのでしょうか。

ボンネット、どうやって閉める?

 クルマに対する“所作”ひとつを取っても、オーナーの性格やクルマへの愛情が垣間見えることがあります。
 
 その一例がボンネットの閉めかたでしょう。果たして最適解はあるのでしょうか。

画像はイメージ(PIXTA)
画像はイメージ(PIXTA)

「えー!今までボンネットなんか開けたことがないよ」という人もいるかもしれませんが、実はクルマを使う前には「日常点検」としてエンジン周りなどをチェックすることが義務付けられています。これは教習所でも習うことではありますが…。

 それははさておき、クルマ好きであれば1度は自身の愛車のボンネットを開閉したことがあるのではないでしょうか。

 基本的に、多くの車種のボンネットの開け方は、室内にある専用のレバーを引いて開けるケースがほとんどで、誰がやってもそれほど違いはありません。

 しかし、ボンネットを閉めるときはダイレクトに個人差が出ます。

 そのまま高さがある状態で、勢いよく「バタン!」と閉める人がいるいっぽうで、そっと閉じて、最後のロックは自身の体重を掛けて閉める人、ロック寸前まで降ろして最後はスッと手を引き、ボンネットを重さを利用して閉める人、本当にさまざまです。

 では、最適解はというとどうでしょう。まず、トヨタの人気コンパクト「アクア」(現行モデル)を例に出すと、取扱説明書「ボンネットを閉めるとき」の項目では以下のように記載されています。

「手などを挟まないように注意してください。重大な傷害を受けるおそれがあり危険です。」

 と、いたってシンプルです。

 また、注意事項の欄の注意事項「ボンネットへの損傷を防ぐために」では、以下のように記載されています。

「ボンネットを閉めるときは、体重をかけるなどして強く押さないでください。ボンネットがへこむおそれがあります。」

 このように、文章で説明があるのみで、イラストによる補足説明はありません。

 ちなみに同じトヨタのスポーツカー「GRヤリス」もほぼ同じ内容でした。

 では、同じスポーツカーの「GRスープラ」の取扱説明書の記述はというと、

「ボンネットを閉めるときには、両側でかみ合わなければなりません。強く押さえつけると、ボンネットが損傷するおそれがあります。

 ボンネットを再び開けて、一気に閉めてください。強く押さえつけないでください。」

 とあります。

 アクアよりもより具体的な内容となっていることが分かります。

 では、トヨタが誇る最高級車「センチュリー」はというと、

「ボンネットを閉めるときは、少し高い位置(約20cm)から必ず落として閉めてください。手で押して閉めると、ボンネットが片側のみロックされるおそれがあります。」

 とあります。GRスープラよりもさらに具体的です。

 さらに、日産「GT-R」の取扱説明書によると、

「1.エンジンフードを支えながらステーを持って穴から外し、フックに固定します。

 2.エンジンフードをゆっくり降ろして30cm以上の高さからエンジンフードを落とし、フード両側を確実にロックさせます。」

 とあります。

 実はボンネットも、クルマによっては素材がスチールやアルミ、カーボンなどさまざまなものが使われており、それぞれで強度なども違ってくるため、凹みに注意したほうがいいクルマもあります。

 ただし実際には、「ある程度の高さまでゆっくりとボンネットを降ろし、最後はボンネットの重量を活かしてストンと閉める」方法がスマートであり、確実といえそうです。

 なかには「俺(私)は何十年もこの閉め方だ」という人もいるでしょう。

 周りで勢いよく「バタン」とボンネットを閉める人がいたら、何も語らずそっとお手本を見せてあげてください。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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