バブル期に人気だった!? 1980年代から登場しブームとなったパイクカー5選
オープンカーも登場! 個性豊かなパイクカーたち
●日産「フィガロ」
1991年2月には、パイクカー第3弾となる「フィガロ」が登場します。1989年の東京モーターショーで参考出品車として披露され、レトロなデザインの小型4座オープンであり、手動で開閉するソフトトップや、本革シートを備えていました。
乗車定員は4名。K10型初代マーチをベースとしたパイクカーシリーズのなかでは唯一、ターボエンジンを搭載し、その最高出力は76馬力、最大トルクは10.8kgm。トランスミッションは3速ATのみの設定でした。
白い本革シートや白いインテリアの特別感漂うフィガロは、1991年2月14日に2万台限定、同年8月末までに3回に分けて抽選するという販売方式がとられ、日産の目論見どおりに、またしてもヒット作となりました。
●日産「エスカルゴ」
パオとほぼ同時にデビューした一風変わった1台のパイクカーが日産「エスカルゴ」です。コマーシャルバン、300kgの積載量を持った商用車で、メカニズムのベースはVN10系「パルサーバン」でした。
デザインのモチーフはフランス語のエスカルゴ(カタツムリ)で、そのエスカルゴに貨物の「カーゴ」を組み合わせた造語が車名となっています。背が高い荷室は荷物の積み降ろしに便利で、小さなボディながら高い実用性を備えていました。
リアサイドパネルの円い窓がない仕様もあり、キャンバストップの有無も選べました。街の花屋さんや酒屋さんのデリバリーバンとして、サイドパネルにお店のロゴを大きくペイントし、可愛らしい姿で路地を走る姿が思い起こされます。
記録では、販売台数が1万600台が販売されたということです。
●日産「ラシーン」
1993年の東京モーターショーに出展され、1994年12月に発売されたのが日産「ラシーン」です。「サニー」をベースにRV車らしいエクステリアが与えられ、全車4WDかつ低い車高というややアンバランスな雰囲気を持つクルマとなっていました。
搭載されるエンジンは当初1.5リッターで、マイナーチェンジ時に1.8リッターへ変更。そして、1998年に登場したスポーティグレードの「ラシーンフォルザ」では最高出力145馬力の2リッターエンジンが採用されています。
セールスは好調で、2000年の販売終了までに7万台以上も販売されました。いまでも中古車として人気の1台で、ラシーン専門の中古車店もあるといいます。
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日産が世に送りだしたパイクカーは、性能ではなく、ファッション性のアピールが奏功してヒットしました。しかし、日産はパイクカーの限定生産では出来た新しい試みや実験をその後の商品戦略に活かせず、90年代後半には経営難に陥りました。
安全性能や環境性能、生産効率性が優先され、似たような表情のクルマが溢れる今こそ、愛嬌のあるデザインのパイクカーが各メーカーから輩出され、クルマを楽しむ文化が今一度花開くことを期待したいです。
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