停電でペットと車中避難!? 安全に過ごすために気を付けたいこととは
長時間の停電が起きると、電源の確保やエアコンの利用を目的としたクルマの活用が注目されます。とくに、ペットと暮らす人にとって、車中避難をする場合に気を付けるべき点とはどんなことでしょうか。
ペットと一緒におこなう車中避難はどのようにおこなうべきか
残暑が厳しい今の時期、長時間にわたる停電は冷蔵庫やエアコン等の家電製品が使えないだけではなく、携帯電話やスマホの充電も不可能となります。しかし、クルマがあれば車内でシガーソケットなどの電源を使うことができ、エアコンを使って涼しく過ごすことも可能です。
そして、暑い時期は人間もエアコンがないとつらいのですが、ペットたちはさらに厳しい状況となります。災害などでペットと車中避難をする場合には、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
2018年に、環境省はペットの飼い主向け災害対策ガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」を公開しました。そのなかで、ペットを守るためには飼い主と一緒に避難する「同行避難」が重要だと呼びかけています。
環境省の方針に沿って、各地方自治体はそれぞれ「避難所におけるペット対応の手引き」などを作成し、避難所で人とペットが極力ストレスのないよう安全第一に、飼い主がおこなうべき準備や、守るべきルールなどを紹介しています。
同行避難とは、ペットも家族と一緒に指定された避難所で避難生活を送ることですが、原則として盲導犬などを除き、動物(主に犬と猫)と人は生活エリアが完全に分離されています。
そして、そこでは飼い主が責任をもってペットの面倒を見ることが決められています。
しかし、政府主導でペットとの同行避難が推奨されていても、実際には避難所ごとにそれぞれ受け入れ態勢が異なるようです。
環境省のガイドライン以前の話になりますが、東日本大震災後の仙台市内の避難所では、屋内で飼育が認められている所や、ペット専用係留場が設置されている所、人とペットが一緒に入れるテントの設置があった所、そして車中生活が推奨される避難所もありました。
また、人とペットが一緒に避難できたとしても、そこにはペットが苦手な人や動物アレルギーを持っている人がいるかもしれません。狭い避難所での生活もあいまって肩身の狭い思いをしたり、ペットも飼い主も大きなストレスをため込んでしまったりする可能性もあります。
そこで、災害時にペットと避難する人達のなかには、充電もできてエアコンも使え、プライバシーも確保できる「車中避難」を実践する人が以前よりも増加傾向にあるようです。
筆者(加藤久美子)の友人である横須賀市在住のYさんは、ペットのための「究極の避難ツール」として、数年前にキャンピングカーを買いました。
2019年9月の台風15号による被害で、約40時間近い停電の間ずっと、キャンピングカーのなかで4匹の犬(パピヨン12才、ミックス11才、ボルゾイ雌10才、ボルゾイ雄8才)と家族と共に避難生活を送ったそうです。
飼育歴が長く、多くのペット仲間を持つYさんは、ペットと共にクルマで避難する場合の注意点について次のように話します。
「実際、停電していたこの2日間は、クルマに犬を乗せている人をたくさん見かけました。停電の間はずっと車内にいましたが、あの暑さではクルマのエアコンも停まっていると効きませんね。
日陰になる場所に移動しましたが、日差しをカットするための遮光シートなども有効でした。
うちは大型犬が3頭いるので、なにかあっても避難所には行きにくいですね。キャンピングカーは『究極の避難ツール』なので、フードもいつもストックしていますし、水も物置に入っています。犬用のテントも備えていますよ。
犬は、寒さにはそこそこ強くても、暑さにはとても弱い生き物です。犬を飼っている人ならわかっているとは思いますが、人間が耐えられる暑さでも犬にとっては命に関わります。
ペットと人が一緒に避難するのがベストだと思いますが、なかには仕事に出かけるなど常に一緒というわけにはいかない場合もあるでしょう。そんな時のためにペットを預かってくれる避難所を、あらかじめ調べておく必要もありますね。
横浜のようにゴルフ場がペット専用の避難所になっているところもあるようです。でもそこはあくまでも『ペット専用』なので、飼い主は一緒に避難できません。なお、避難所でスムーズに預かってもらうためにはトレーニングも必要です」
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