史上初の栄冠はワンダーシビック! グッドデザイン大賞を受賞したクルマ5選

トヨタの大ヒット車はデザインも高評価だった

●2003年度受賞 トヨタ「プリウス」(2代目)

EV走行が可能になるなど飛躍的に進化した「プリウス」
EV走行が可能になるなど飛躍的に進化した「プリウス」

 1997年に世界初の量産ハイブリッド車として発売された初代トヨタ「プリウス」。そして、さらにハイブリッドシステムを進化させ、世界最高レベルの低燃費と低公害を追求した2代目「プリウス」が2003年に発売されます。

 クルマの各所にユニバーサルデザインの概念を取り入れ、先進の電子制御技術を導入した運転操作系の採用や、広い居住空間と荷室を確保しながらも、世界トップクラスの空力性能を実現したモノフォルムスタイルが特徴です。

 また、外観や内装がハイブリッド車として、未来的な雰囲気が十分に感じられるようになった点が高く評価され、2003年度グッドデザイン大賞を獲得しました。

 運転操作ストレス軽減のために、操作系や表示系を見直して手元へ集中させ、メーター位置の最適化をおこなった点なども「先端技術をデザインに反映している」と評価され、「世界のハイブリッドのフロンティア」とも称されました。

●2008年度受賞 トヨタ「iQ」

トヨタが持つ技術の粋が注ぎ込まれた「iQ」
トヨタが持つ技術の粋が注ぎ込まれた「iQ」

 軽自動車よりもコンパクトなボディに4人乗車が可能な超高効率パッケージで、環境やエネルギー問題に向け真摯に開発した「マイクロプレミアムカー」として、2008年に登場したトヨタ「iQ」。

 ボディサイズは全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmで、このなかに4つのシートを収めるために非常に高度なパッケージング技術が注ぎ込まれました。

 具体的な事例として、専用設計されたトランスミッションでエンジンよりも前輪を前に出し、エアコンのユニットも専用に小型化して助手席足元の空間を確保。

 また、燃料タンクを床下に格納し、運転席・助手席シートバックの薄型化などで、4シーターを実現しました。ただし、快適に乗れる限界は大人3人と子ども1人の3+1のようです。

 このように、従来にはない高密度設計で、軽自動車とは異なる超小型4人乗りとしたiQは、ダウンサイジングの可能性を生み出したことや、都市交通のあり方に新しい概念を生む可能性などが「多くの世界初を持つ究極のリミット設計に驚かされる新型車」と評価され、2008年度グッドデザイン大賞を受賞しました。

※ ※ ※

 グッドデザイン賞にエントリーしているものやサービスは多岐にわたっており、2018年度の金賞受賞作品を見ると、絵本、ファスナー、プラネタリウム投影機、戸建住宅、宿泊施設、津波避難支援アプリなどがあります。

 そのなかで大賞にクルマが選ばれることは、デザインのプロが見た1年分のすべてのものごとのなかで、もっとも優れた商品であることに違いありません

 ここ10年は、クルマの大賞受賞はありませんが、それほどハードルが高いということでしょう。

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