史上初の栄冠はワンダーシビック! グッドデザイン大賞を受賞したクルマ5選
「Gマーク」でおなじみのグッドデザイン賞ですが、クルマによる受賞も数多く存在しています。そのなかでも頂点となる「グッドデザイン大賞」を受賞した特別なクルマを5車種紹介します。
数あるプロダクトから年間1件! グッドデザイン大賞を受賞したクルマたち
1957年に開始されて以来、シンボルマークの「Gマーク」で知られている「グッドデザイン賞」は、デザインによって暮らしや社会をよりよくしていくための活動として、公益財団法人日本デザイン振興会が運営している賞です。
グッドデザイン賞はデザインの優劣だけを競う制度ではなく、審査を通じて新たに「発見」されたものを、Gマークの付与によって社会と共有し、次の創造へ繋げていくという取り組みとされています。
毎年4月の応募開始から専門家による「一次審査」と「二次審査」を経てグッドデザイン賞が決定され、さらにベスト100に選出されたデザインから「ベスト100プレゼンテーション・金賞審査会」により「金賞・ファイナリスト」が決定されます。
その「受賞祝賀会」で「グッドデザイン大賞」が発表され、1年にひとつだけの特別な賞となっています。
これまでグッドデザイン大賞は、私たちの生活を取りまくさまざまなものごとに贈られてきましたが、もちろんクルマも受賞しています。
そこで、グッドデザイン大賞という栄冠を勝ち取ったクルマ5車種を紹介します。
●1984年度受賞 ホンダ「シビック」(3代目・ハッチバック)
クルマで初めてグッドデザイン大賞を受賞したのは、1983年に登場した3代目ホンダ「シビック 3ドアハッチバック 25i」でした。
スポーティな走りと低燃費など基本性能の高さに加え、新しい時代のFF2ボックスカーを追求して開発された3代目シビック(通称:ワンダーシビック)は、居住性や走りなどクルマに求められる性能、機能を最大限に発揮することを目指しました。
メカニズム部分を最小に、居住スペースを最大にというホンダの「M・M思想」(マンマキシマム・メカミニマム)が初めて提唱されたのが、この3代目シビックです。
空力を意識したフォルムと居住性を追求した結果生まれた、斬新なロングルーフデザインによって室内空間を大幅に拡大。
100mmのスライド量を持つリクライニングシートや、室内との自然な一体感を与えるインパネまわりなど、隅々までスペースの有効活用を追求した設計がされたことにより、使い勝手の良い広々とした室内空間を創り出していました。
●1988年度受賞 日産「シルビア」(5代目)
1988年度のグッドデザイン大賞を獲得したのは、若者を中心に大人気となった日産の5代目「シルビアQ’s」でした。
オーソドックスなFRレイアウトのシャシに未来的なデザインを巧みに融合させ、日産自らも「アートフォース・シルビア」というキャッチコピーでデザインの良さをアピールしました。
4代目シルビアと同様にFR駆動としたことで、決して限界は高くありませんでしたが操縦性が素直で、スポーツ走行を好む男性ドライバーから愛されました。
さらに優れたデザインの外観や、乗員を包み込むような内装デザイン、そして2+2のタイト感のあるシートは、女性から「お洒落」と評価され、デートカーとしても人気になります。
当時、すでにデートカーの代名詞だった3代目ホンダ「プレリュード」を抜き去るほど、販売は好調でした。
●1994年度受賞 ボルボ「850エステート」
1992年に登場したボルボの中型車だった「850」シリーズは、セダンと、エステートと呼ばれるステーションワゴンの2タイプが用意されていました。
当時は世界一安全なクルマといわれていたボルボ車ですが、それ故に鈍重なイメージを持たれていました。しかし、850の登場によってボルボのイメージは大きく変わります。
伝統の鋭角的な直線基調のボディデザインは引き継ぎながらも駆動方式はFF化され、ポルシェによって設計された総アルミ合金製の2.5リッター直列5気筒DOHC20バルブエンジンを横置きに搭載するなど、従来のモデルとの共通点はないとまでいわれました。
1993年に追加されたステーションワゴンである「850エステート」は、スタイリッシュなデザインと室内空間の巧みな利用などが高く評価され、1990年代の日本国内のステーションワゴンブームをけん引したほどの人気を獲得。
輸入車としては初となる1994年度グッドデザイン大賞を受賞しています。
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