2019年9月4日、ポルシェ初の電動スポーツカー「タイカン」が世界初公開されました。

　まず最初にラインナップされたのは、「タイカンターボS」と「タイカンターボ」の2車種です。この2モデルは、ポルシェEパフォーマンスの最先端のクルマであり、ポルシェの現行ラインナップのなかでもっともパワフルなモデルとなります。

　タイカンのワールドプレミアは、タイカンの販売がもっとも見込まれている北米、ヨーロッパ、中国の3大陸で当時におこなわれました。

　北米では、ニューヨーク州とカナダのオンタリオ州の国境にあるナイアガラの滝、ヨーロッパではベルリン近郊のノイハルデンベルグのソーラーファーム、中国では福建省の福州市からおよそ150km離れたピンタン島のウインドファームが、ワールドプレミアの開催地に選ばれました。どの場所も再生可能エネルギーを象徴する場所です。

　トップエンドモデルであるタイカンターボSは、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761馬力のオーバーブースト出力を発生することができ、一方のタイカンターボの最高出力は680馬力です。

　タイカンターボSの0−100km／h加速は2.8秒、タイカンターボは3.2秒です。

　気になる航続可能距離は、ターボSで最大412km、ターボは450kmです（WLTPに準拠）。いずれも最高速度は260km／hです。

　タイカンでもっとも注目すべきポイントは、多くの電気自動車で採用される400Vの電圧ではなく、800Vのシステム電圧を備えている点です。

　800Vのシステム電圧とすることで、わずか5分程度で、高出力充電ネットワークの直流（DC）から最高100kmの航続可能なエネルギーをバッテリーに充電することが可能となりました（WLTPに準拠）。

　バッテリーの充電状態が5％の状態から80％まで充電するのに必要な時間は、最大充電容量270kWhにおいて22分30秒です。

　パフォーマンスバッテリープラスリチウムイオンバッテリーの総容量は93kWhで、最大11kWの交流（AC）で自宅で快適に充電することが可能です。

　外観のデザインは、これまでのポルシェのデザインDNAを受け継ぎながら、新たな時代を告げる革新的なデザインとなっています。

　ヘッドライトは特徴的なデザインとなり、盛り上がったフロントフェンダーはタイカンをワイド＆ローに見せる効果があります。

　4ドアながらルーフラインは後方に向かって傾斜するシルエットになっており、Cピラーもかなり角度がつけられています。

　リアのテールライトは一直線のライトバーが採用され、ガラスルックのポルシェのロゴなど、見た目にも革新的となっています。

　また、Cd値0.22というエアロダイナミクスを実現し、低燃費での長距離走行が可能となりました。