自衛隊のクルマ、じつはトヨタ製!? どんなクルマが活躍しているのか

2019年も、陸上自衛隊の人気イベント「富士総合火力演習」が8月25日に開催されます。最新鋭の「10式戦車」から、国産自動車メーカーの車両まで。陸上自衛隊のクルマにまつわる知識をおさらいしておきましょう。

参加倍率数十倍? 富士山麓で開催される自衛隊イベントとは

 2019年8月25日、陸上自衛隊が主催するイベントのなかで、もっとも高い人気を誇る「富士総合火力演習」が静岡県の御殿場市東富士演習場で開催されます。
 
 陸上自衛隊に所属するクルマ(自衛隊車両)を見ることができる機会としても知られていますが、いったいどんなクルマが登場するのでしょうか。

1/2tトラック(出典元:陸上自衛隊HPより引用)
1/2tトラック(出典元:陸上自衛隊HPより引用)

 通称「そうかえん」の名称で親しまれるこのイベントは、1961年に開始されました。陸上自衛隊のみならず、航空自衛隊や海上自衛隊の航空機なども参加する大規模な内容です。

 1966年以降は、自衛隊の広報活動の一環として一般公開をおこなっており、一般人が実際に実弾演習を間近で観覧できることから、近年人気を高めています。
 
 参加には、事前に陸上自衛隊のウェブサイトからの申込みが必要で、その人気の高さから応募倍率は非常に高く、陸上自衛隊の公開している情報によると、2018年度の倍率は驚きの30倍を記録しています。

 2018年度に開催された総火演では、島しょ防衛に用いられる「16式機動戦闘車」や「水陸両用車」といった車両が初めて射撃を公開したことにより、話題を集めました。
 
 参加車両は、陸上自衛隊が所有する「10式戦車」や、人員輸送を目的とする小型の「高機動車」など、多岐にわたります。

 では、陸上自衛隊ではどのような車両が使われているのでしょうか。装甲車や戦車といった戦闘車両から、トラックやけん引車両といった輸送に用いられるクルマを含めると、その数は数十種類となります。

 そしてこれらの車両は、自衛隊が開発・製造していると思っている人も多いのではないのでしょうか。じつは、意外にもこれらの車両は一般の自動車メーカーが関係しているのです。

 たとえば、陸上自衛隊が人員輸送車両に使用している「高機動車」はトヨタが開発しており、製造は日野がおこなっています。
 
 また、「コガタ」の愛称で親しまれる「1/2tトラック」は三菱が製造を担当。さらに、いすゞや三菱ふそうといったトラック系の企業から、バイクやジェットスキーで知られるカワサキモータースまで参画しており、日本の自動車関連企業と密接な関係にあるのです。
 
 なぜこのようなケースが多いのか、陸上自衛隊広報課に話を聞いたところ、次のように説明します。

「入札の関係もありますので詳細はお答えできませんが、新規開発ではなく、市販車をベースとすることでコストを削減する期待はございます」

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