後世まで語り継がれる名車ぞろい! ステキすぎるコンパクトカー5選
累計3500万台を売り上げるフォルクスワーゲンのロングセラー車
●フォルクスワーゲン「ゴルフI」
2019年で発売45周年を迎え、累計販売台数が3500万台を超えたと発表されたフォルクスワーゲン「ゴルフ」。この3500万台というのは「タイプ1(ビートル)」の2152万台よりも多く、フォルクスワーゲンによれば「発売からいままで、41秒に1台が売れている計算になる」とのことです。
ゴルフは現行モデルで7世代目ですが、太いCピラーをはじめ、ルーフラインやリアハッチの傾斜角度などが、現代のゴルフにまで引き継がれていることが知られています。
すべてのゴルフのルーツとなる「ゴルフI」は1974年に発売され、パンダと同じくジウジアーロのデザインです。
もともとゴルフはビートルの後継車として企画されていて、大衆車としてのポジションを担うべく開発が進められていました。
そのためコンパクトなボディサイズに広い室内、そして、高い経済性が求められることになりましたが、ジウジアーロは横置きFFというレイアウトを用い、要求をすべて満たすパッケージングを採用することで、この期待に応えています。
ビートルの後継車ながらも、丸いボディとリアエンジンというビートルの特徴を一切継承せず、フロントエンジンにスクエアなボディを持たせたことには、相当な思い切りが必要であったと思われます。
世界中の自動車メーカーがゴルフをベンチマークとするほど、コンパクトカーの基準を新しく定義し直したともいわれる評価を考えると、ビートルよりも高い完成度を持っていたといえるでしょう。
●トヨタ「ヴィッツ」(初代)
トヨタ「ヴィッツ」は現在3代目となり、モデルライフ終盤に差しかかっていますが、いまなお高い人気を誇るトヨタを代表するコンパクトカーです。
初代ヴィッツが登場したのは1999年です。世界戦略車として企画されたもので、デザイナーにはソティリス・コヴォスを起用しました。
ヴィッツのコンセプトは、それまでの古い考え方でコンパクトカーを安く作るのではなく、上位セグメントのセダン同様のデザイン、品質、快適性、安全性を持たせたもので、発売するやいなや大ヒットします。
これは多くのユーザーが、ヴィッツは上位セグメントから乗り換えても見劣りしない、と捉えたのかもしれません。
ヴィッツのデザインやキャラクターを強調するために、カラフルなボディカラーが揃えられたことも特徴です。とくにピンク系の「ペールローズメタリックオパール」については、トヨタが注力したカラーだと発売当初に報じられ、「ピンクであっても生々しくならず、高級感を出すのに苦労した」という開発担当者のコメントも報じられています。
BMCミニのように構造的な新しさはないものの、コンパクトカーに対する考え方が新しく、初代ヴィッツを見てはじめて「こんなクルマが欲しかった」と気づかされた人が多かったのかもしれません。
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優れたデザインを持つコンパクトカーを5台紹介しましたが、その多くは「デザインには理由があり、誕生には必然性や明確な目的があった」ということになります。
必要に迫られ、サイズや価格の制限をクリアしながら考え抜かれたデザインは、高い合理性を持つことになり、時を経ても陳腐化しないということがわかります。
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