自動車税を期限内に納めないとどうなる? 滞納者を待ち受ける過酷な現実とは

自動車税の納付期限は、基本的には例年5月末となっていますが、納付が遅れた人に送られる「督促状」は、送付される時期が地域によって異なるといいます。なぜ違いがあるのでしょうか。

 自動車税の納付期限は、例年5月末となっています(青森県・秋田県は例年6月末で、2019年は7月1日)。納付期限を過ぎた場合は延滞金が付きますが、納付を催促する「督促状」は、地域によって送られる時期に差があるようです。

 自動車税の納付が遅れると、その後いったいどのようなことになるのでしょうか。

自動車税の徴収率は都道府県によって異なる
自動車税の徴収率は都道府県によって異なる

 まず、各都道府県が公開している自動車税の現年課税分と繰越滞納分を計算して出された徴収率のワーストランキング(もととなっているのは各自治体から申告された数値)を見ると、ある事実がわかります。このランキングは、総務省の「道府県税徴収実績調」をもとに筆者(加藤久美子)が作成しました。

●2017年度
1位:千葉県 97.6% 
2位:奈良県 97.6%
3位:京都府 97.7%
4位:茨城県 97.8%
5位:高知県 97.8%

●2016年度
1位:千葉県 97.0%
2位:茨城県 97.2%
3位:奈良県 97.2%
4位:京都府 97.4%
5位:高知県 97.4%

●2015年度
1位:千葉県 96.5%
2位:茨城県 96.7%
3位:奈良県 96.7%
4位:京都府 97.0%
5位:高知県 97.2%

●2014年度
1位:千葉県 96.0%
2位:茨城県 96.2%
3位:大阪府 96.2%
4位:奈良県 96.3%
5位:京都府 96.8%

●2013年度
1位:千葉県 95.4%
2位:茨城県 95.5%
3位:大阪府 95.8%
4位:奈良県 95.9%
5位:鹿児島県 96.3%

 興味深いのは、公開されている最新5年分のデータでは、僅差とはいえすべて千葉県がワースト1位となっていることです。

 これ以前(2009年度から2012年度)のデータでも、千葉県はすべてワースト5位内に入っており、自動車税のみならず県税全体の徴収率も全般的に低めです。

 千葉県では2014年から、滞納者に対して「差し押さえ」を強化するなど、納税をすすめる諸々の対策を講じており、その成果もあって徐々に徴収率は上がっています。しかし、全体でみるといまだワースト1位が続いている状況です。

 2017年度は千葉と奈良が同率で、2013年度から2016年度にかけては千葉県と茨城県がワースト1位・2位となっており、奈良県、大阪府、京都府、高知県などもワーストランキングの常連となっています。

 一方、自動車税の徴収率が良いのは新潟県と鳥取県で、2017年度の徴収率はそれぞれ99.8%および99.6%と、非常に高レベルです。2県の1位・2位獲得は10年以上続いており、新潟県は15年以上連続で自動車税徴収率全国1位に君臨しています。

※ ※ ※

 自動車税を納付期限内に納めずに、「督促状」が送られてきた経験を持つ人もいるでしょう。

 督促状が送られる時期は地方税法という法律で定められており、基本的には「納付期限から20日」とされています。つまり、納付期限が5月末なので(土日の場合は後ろにずれる)、その20日後とは6月20日頃になります。

 しかし、筆者(加藤久美子)が住む神奈川県では、7月20日までの送付となっています。SNSの投稿を見ていると、督促状が6月20日ごろに送られてきたという人もいれば、7月の上旬だったり、20日前後だったりするなど、さまざまなパターンがあるようです。

 この差はなにが理由なのでしょうか?

 総務省自治税務局に聞いてみたところ、次のように説明します。

「地方税法律第165条第1項(自動車税に係る督促)において、納税者が納期限までに自動車税に係る地方団体の徴収金を完納しない場合では、納期限後20日以内に督促状を発しなければならないと定められています。

 しかし、165条第2項では、特別な事情がある都道府県については、20日以内ではなく50日以内で督促をすることになっています」

 つまり、自治体によっては督促状の発行が50日まで延長されるということのようです。そこで「特別な事情」とはなにか、神奈川県の自動車税管理事務所に聞いたところ、次のようにコメントしています。

「自動車の保有台数が多い都道府県では、20日以内で処理することなど到底不可能です。とくに、神奈川は自動車の台数が全国トップ3に入っていますから、処理に時間もかかるため50日以内で督促状を出すことになっています」

 特別な事情とは、クルマの台数が多くて処理に時間がかかる、ということでした。

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1件のコメント

  1. 使用者課税と所有者課税が共存している時点で落第、先ずは用途において誰が納めるべきかを見直すのが先だろ
    納税を果たしていない使用者の車に車検を受けさせないなら逆に不正改造などで使用禁止になった車も陸運局と情報を共有して課税を延期するとか措置を取れって話だろ、とにかく警察が車庫証を発行した本拠の位置に属する車の使用者が課税を免れる乗り出し方を改めるべきだろ
    何でも事情も汲まずに延滞と喚くのは話の筋が違う!代替え売買や永久抹消に税制が柔軟な体制で備えないから延滞問題が後を絶たないだけの話だろ

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